こんにちは「とある医師」です。
これまで複数回にわたってチャイルドシートについてまとめて来ました。
(関連ページは本文最後に掲載しています)
この記事では『新生児から4歳頃』対応チャイルドシートの中で、軽量機種であるコンビ コッコロS、ミニマグランデとウィゴーの違いについてまとめていこうと思います。
なぜコンビ コッコロS、ミニマグランデとウィゴーの違いが理解しにくいか
『新生児から4歳頃』対応チャイルドシートを探してコンビのHPを見ても、該当しそうな機種が複数あります。
クルムーヴのような回転式のものと非回転式のチャイルドシートは区別がつきます。
でも非回転式チャイルドシートにはコッコロS、ミニグランデ、ウィゴーと3タイプのラインナップがありますが、これらの違いが非常に解りにくいです。
正直に言いまして、ボクは当初各ホームページを見てもただ混乱してしまいました。
コッコロSは1機種ですのでサイトの説明を見ても特に混乱は生じません。
(但し後に述べるように、公式サイトには掲載されていないカラーバリエーションがAmazonで販売されている理由は不明です)
しかし、ミニマグランデとウィゴーについては複数のラインナップがあるにも関わらず、『ミニマグランデ』『ウィゴー』として堂々と謳っている機能の一部が、実はハイグレードモデルにしか搭載されていない機能を説明しています。
小さく「〇〇モデルのみ」と注釈がついていますが、誤解を招きかねません。
その上、各機種の名前が
- コッコロS UX
- ミニマグランデS UB
- ミニマグランデEG UB
- ミニマグランデ エッグショック UF
- ミニマグランデ エッグショック ミッキーマウス UC
- ウィゴー エッグショック LG
- ウィゴー サイドプロテクション エッグショック LG
- [追記]ウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DK 2019年6月発売予定
とあり、一見名前がスペックを表しているのかと思いきや、名前が機能を示してくれないません。
「エッグショック」と無くてもエッグショック搭載だったり、「サイドプロテクション」とついてなくても実は「サイドプロテクション」機能がついているものもあります。
ローマ字もウィゴーだけ両モデルLGで共通と、ローマ字での区別も不可能です。
また「W(ダブル)の安心で」(ウィゴーのページ)、「Wサイドプロテクション」(ミニマグランデのページ)、「W(ダブル)プロテクト」(ウィゴーのページ)と『W(ダブル)』が特徴としてよく使用されていますが、実はこの『W』についても意味も定義もバラバラに使用されています・・・。
さらに「サイドプロテクション」に「サイドプロテクションα」という紛らわしい用語もあり、それぞれの関係をすっきりするのは容易ではありません。
(特に混乱に拍車をかけたのがウィゴーの名称とスペックの関係だと思いますが、後述します)
混乱の元であり、個人的にはサイト構造が不親切だと思います。
そういう理由で、可能な限り正確性を期すため今記事の出典・参考にしたのは全てコンビのホームページの各製品ごとのページと、同サイト内の各製品についての「よくある質問」ページのみです。
これらを網羅的に見て、ボクなりにコッコロSとミニグランデの違い、そしてウィゴーの特徴を理解出来るよう独自にまとめたものですが、手探りな記事となっていることを最初にお伝えします。
コッコロSとミニマグランデの違い
コッコロSとミニマグランデの関係性については調べると比較的はっきりしています。
(もう少し解りやすく記載して欲しいものです)
「よくある質問」の「ミニマグランデ』と『コッコロ』の違いはなんですか?」というページに一覧表と併せて下記のように記載されています。
- 『ミニマグランデ』の本体構造は、『コッコロ』シリーズをベースにしています。
- お車へのお取付、ご使用方法は同じです。
また「ミニマグランデ』適合車種の確認」というページにも同様に、
- 『ミニマグランデ』は本体構造が『コッコロ』シリーズをベースにしています。
- 適合車種を確認していただく時は、必ず『コッコロ』でご確認ください。
と記載されています。
両者の説明、そしてこの後見ていくウィゴーとの違いを考える上で
- エッグショック
- サイドプロテクション
- サイドプロテクションα
といった3つの重要なキーワードについて考えていきます。
エッグショックとサイドプロテクション、サイドプロテクションαとは
『エッグショック』はご存知、コンビが誇る高い衝撃吸収素材ですね。
次に『サイドプロテクションα』とは、
- 本体の側壁構造(高さ)により、横方向から衝撃を守る【サイドプロテクションα】がついております。
- 『コッコロ』と比較して、サイドが45mm高くなっております。
『サイドプロテクション』とは
- インナークッション頭部の【サイドプロテクション】が付属されており、お子様の頭部をお車の横揺れから守ります。
- インナークッションの後頭部には、エッグショックパッドを内蔵しており、お車の振動を吸収いたします。
- 本体の【サイドプロテクションα】とインナークッションの【サイドプロテクション】で、《Wサイドプロテクション》となっており、側面衝突にも備える安心機能です。
とそれぞれ説明されています(共に「『ミニマグランデ』と『コッコロ』の違いはなんですか?」。
では、用語を元に機種をまとめてみます。
コッコロSのスペック
全ての機種のベースがコッコロSです。
コッコロSは、ダッコシートαという洗濯可能なインナーシートが標準装備です(ウォッシャブルシート)。
これにエッグショック、サイドプロテクションα、サイドプロテクションといった上に挙げた機能が追加されたものがミニグランデシリーズです。
4.4kgと他メーカーに比べ圧倒的に軽量なのも特徴です。
(ミニグランデシリーズもほど同様の重量です)
また定価は高価(約30,000円)ながら、実売価格が10,000円から15,000円程度で、非常に安いのも大きな特徴ですね。
公式サイトではカラーバリエーションはヘーゼルナッツ1つですが、Amazonでは
と併せて4色展開で、新生児から使用可能なチャイルドシートランキングで複数のカラーが上位エントリーしており、圧倒的に人気なようです。
(「Amazon限定」とも記されておらず、調べた限りでは理由は特定出来ませんでしたが、Amazon内でもコンビが販売元となっており、信頼できそうです。)
ピスタチオが一際安く販売されていますね。
ミニマグランデシリーズのスペック
ミニグランデシリーズのラインナップはミッキーマウスモデルを入れると4つにもなりますが、実はベースのミニマグランデS UBとその他3つと分けると理解し易いです。
ミニマグランデSの特徴とは
ベースのミニマグランデS UBはコッコロSの側壁が少し長くなった(コッコロS +「サイドプロテクションα」)ものと思われます。
本体底に固定テープもついており、安定感もアップしているようです。
その他のミニマグランデシリーズの特徴とは
その他のミニマグランデシリーズはミニマグランデS UB(コッコロS+サイドプロテクションα)に、エッグショックとサイドプロテクションが追加装備され、シートが3Dメッシュシートにグレードアップしたものです。
(【サイドプロテクション+サイドプロテクションα】=「Wサイドプロテクション」)
- ミニマグランデEG UB
- ミニマグランデ エッグショック UF
- ミニマグランデ エッグショック ミッキーマウス UC
(『ミニマグランデEG UB』と『ミニマグランデ エッグショック UF』の違いについて)
(『ミニマグランデEG UB』と『ミニマグランデエッグショックミッキーマウス UC』の違い)
実はミニグランデシリーズも非常に軽量なのが特徴で、若干ばらつきがありますが、全てコッコロとほぼ同程度の重量です(4.4kgから4.6kg)。
コッコロSとミニグランデシリーズの違いまとめ
ここまでを少しまとめます。
- コッコロS = すべての基本。洗濯可能なインナーシート(ダッコシートα)が標準装備
- ミニマグランデS UB =コッコロS + (サイドプロテクションα)
- ミニマグランデEG UB、ミニマグランデ エッグショック UF = ミニマグランデS UB + (エッグショック) + (サイドプロテクション) +(3Dメッシュシート)
- ミニマグランデEG UBとミニマグランデ エッグショック UFの違いは色と腰ベルトカバーの有無で製品としては同一
ウィゴーのスペック
ウィゴーの特徴はエッグショックが標準装備であることと、『ベース』にあると思われます。
ただ「ベース付きだから取付簡単」と一言記載があるだけで、ベースがあるとどう取り付けが楽なのか?具体的な説明がありません。
形状から「安定しそうだな」とは想像出来ます。
ベースがある分、重量が約6kg超とコッコロSやミニマグランデシリーズよりは重くなっていますね。
重量については、複数台で取り付け替える場合でもベビーキャリーとは違い、そこまで重量の差は気にしなくても良いのでは?とボクは考えます。
ウィゴーの違い
実はウィゴーのラインナップは
- ウィゴー エッグショック LG
- ウィゴー サイドプロテクション エッグショック LG
- [追記]ウィゴー メッシュ
- [追記]ウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DK 2019年6月発売予定
このようになっていますが「サイドプロテクション」が付くか付かないかだけの違いであるにも関わらず、「サイドプロテクション」とは何か?についての説明は解りにくいです。
従って以下の記載はボク個人の推測に基づく記載です。
ウィゴーの「サイドプロテクション」とは
ミニマグランデには「サイドプロテクション」「サイドプロテクションα」がそれぞれ存在し、「サイドプロテクション」とは頭部を支えるインナークッションのうち、側面が厚く大きなものを示します。
コンビHPウィゴーの各ページの写真を見比べると、ウィゴー サイドプロテクション エッグショック LGには「サイドプロテクション」に相当しそうな厚みのインナークッションがある(「サイドプロテクション」搭載)一方で、ウィゴー エッグショック LGにはなさそう(「サイドプロテクション」非搭載)です。
ウィゴーの「サイドプロテクションα」とは
また「サイドプロテクションα」については○×が表に記載されています。
元々ミニマグランデでコッコロSとの差別化で説明されていた「サイドプロテクションα」とは、本体の側壁のことで、コッコロSより45mm長くなったものを指していました。
その原則から考えると写真を見るにウィゴーエッグショック LGの側壁もミニマグランデと同程度には長く見えます。
しかし、一応公式サイトには「サイドプロテクションα」はウィゴー サイドプロテクション エッグショック LGのみの装備と記載されています。
またコンビHPウィゴー内の「サイドプロテクションα」説明箇所を見ると、特別厚みのある側面シートを示しているように書かれていますし、2019年6月発売予定のウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DKでは「3層サイドプロテクションα」なるものまで紹介されています。
それにはインナークッションの側面のみならず本体シート側面も含めて「3層サイドプロテクションα」と紹介されており、残念ながら昨今おいてはサイドプロテクションαとは非常に曖昧な概念で使用されていると考えざるを得ません。
簡単な概念として「サイドプロテクションα」とは本体シートの特別厚みのある側面クッションを指すと考えます。
しかし、特別厚みがないとされるモデルでも、以前のコッコロSのように薄くはなく、十分厚みがありますので大きな差別化ポイントではないのではないか?とも個人的に感じるところです。
ウィゴー「Wの安心」、「Wプロテクト」とは
ウィゴーのページで、【サイドプロテクションα+エッグショック】を以って「Wの安心」、「Wプロテクト」と表現していますが、ミニマグランデでも「Wサイドプロテクション」などの用語を用いており、「W」を乱用していますね。
さてこのウィゴーの特徴のように書かれている「Wプロテクト」 = 「サイドプロテクションα+エッグショック」ですが、ウィゴーで該当するのはウィゴー サイドプロテクション エッグショック LGと、新発売のウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DKのみです。
対して、実はミニマグランデの上位3機種でも同等の機能を有しています。
つまり、機能面ではミニマグランデの上位機種とウィゴーの上位機種は同等であることがわかります。
ここで新たに発売された2つのモデルについても説明します。
ウィゴー メッシュとは
ウィゴー メッシュとは、これまで説明してきたエッグショック、サイドプロテクションαいずれも非搭載の代わりに、シートがメッシュ素材となった一番ベーシックなものです。
ミニマグランデでいうとコッコロSに近い存在でしょうか(発売順序は真逆ですが)。
ウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DKとは
HPを元にまとめますと、ウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DKとは、ウィゴー最上位モデルです。
【ウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DK】=【ウィゴー サイドプロテクション エッグショック LG】+ (日除けの幌) + (本体通気ゲート) + (肩ベルトとヘッドレストの調節機能(イージームーブレスト)) + (ベルトキーパー) + (リクライニング機能)、さらに、上で説明した3層サイドプロテクションαとして側面シートの強化が図られています。
定価はウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DK、ウィゴー サイドプロテクション エッグショック LGもどちらも30,000円となっています。
発売時期が早い分ウィゴー サイドプロテクション エッグショック LGは実売価格が随分お値打ち価格(2019年5月29日現在20,000円程度)となっており、しばらくは価格差が残りますが、上位互換とも言えそうなウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DKの定価が同じとは不可思議な印象です。
ウィゴーのシートの違い
最後にシートにも違いがあります。
ミニマグランデシリーズでは上位3機種、つまりエッグショック搭載モデルは3Dメッシュシートが標準装備でした。
対してウィゴーはエッグショック搭載にも関わらず、ウィゴー エッグショック LGは3Dメッシュ素材を持たず、メッシュシートを装備するのはウィゴー サイドプロテクション エッグショック LGとウィゴー メッシュ、新発売のウィゴーグランデ サイドプロテクション エッグショック DKとなっています。
⇨ウィゴーは新生児から7歳まで使用出来るロングユースタイプも発売され、一口に「ウィゴー」といってもかなりバリエーションが豊富となってしまいました。
そのためウィゴーについては別記事でもまとめようと思います。
コンビ コッコロS、ミニマグランデの違い。ウィゴーとの違いまで まとめ
長らく説明してきましたが、これらをまとめてみましょう。
まず前提として、使用対象が適応体重:18Kg以下 (参考:新生児~4才頃)であることは共通です。
またシートの違いはあれど全て洗濯可のウォッシャブルシートであることも共通です。
その他の違いについて表にすると、このようになります。
定価 (税込) |
実売価格 (税込) *1 |
重量 | ES*2 | SP*3 | SPα*4 | 3D MS *5 |
|
コッコロS UX | 30,240 | 14,665 | 4.4kg | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ |
ミニグランデS | 28,080 | 23.800 | 4.4kg | ✕ | ✕ | ◯ | ✕ |
その他ミニマグランデ | 42,120 | 28,557 *6 | 約4.5g | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ウィゴー エッグショック LG |
27,000 | 17,660 | 6.1kg | ◯ | ✕ | △*7 | ✕ |
ウィゴー サイドプロテクション エッグショック LG |
32,400 | 20,975 | 6.3kg | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
*1:2019年5月28日現在Amazon価格。価格コムでも安値であることが多いです。
*2:EP=エッグショック
*3:SP=サイドプロテクション
*4:SPα=サイドプロテクションα
*5:3D MS= 3Dメッシュシート をそれぞれ略したものです
*6:機種により価格差があるようです
*7:公式サイトには「✕」と記載されていますが、コッコロSよりはかなり長く幅が取られており、独自に「✕」と区別して「△」と記載しています
コンビ コッコロS、ミニマグランデ、ウィゴーの中からどれを選ぶか
特にミニマグランデシリーズとウィゴーには赤か黒系統しかありませんので、その他の色を希望された場合にはコッコロS一択ですね。
上にも記載しましたが、このクラスのチャイルドシートはベビーキャリーと違い、そこまで重さを気にしなくても良いのではないかとボクは思います(複数台で付け替える場合でも、赤ちゃんを下ろした状態での設置のため)。
また「ベース」のおかげで設置が容易とのことですので、価格が安く、安全面機能面で同等なウィゴーに軍配が上がるのではないかと考えます。
ということで、コンビ コッコロS、ミニマグランデ、ウィゴーの違い、そしてこの中からボクなりに選ぶ場合の結論は、
- 最低限の機能があれば十分、コスパを重視する場合にはコッコロS
- もう少し予算がある場合にはウィゴー サイドプロテクション エッグショック LG
という風に考えます。
皆様にとっては如何でしょうか。
最後に
冒頭に記載しましたように『新生児から4歳頃』対応チャイルドシートの中で軽量機種はコンビ コッコロS、ミニマグランデ、ウィゴーしかないに関わらず、公式ホームページを見てもサイト構造が不親切で、せっかくの製品の良さが十分伝わっておらず残念です。
お困りの方にとって、この記事にまとめた内容が参考になれば幸いです。
内容には十分留意したつもりですが素人が独自に調べた内容です。
誤記の場合も有りますので、お手数ですがご自身でも公式サイトなどでご確認して頂きますようお願い致します。
●チャイルドシート関連記事
①チャイルドシート全体の考え方、選び方;
②『新生児から1歳頃』対応ベビーシートの選び方
③『新生児から4歳頃』対応チャイルドシートの選び方
④『1歳から6歳以降』対応チャイルドシートの選び方