こんにちは「とある医師」です。
先日、表題の通りボクの愛用しているMacbook Airが突然、異常発熱してなんと一部ながら焦げてしまいました。
この記事ではなんとも不可解なMacbook Air発火事件と、切な過ぎたAppleの対応について備忘録として書いてみます。
「良いものを紹介する」という本ブログのコンセプトから逸脱していますが、購入後レビューとしてこんな事件もあるのだということを共有したいと考えます。
恐怖のMacbook AIr 2015 late発火事件
まず問題のMacbook Airの製品状況ですが、2015 lateモデルです。そして事件は2019年に起こりました。
事件の予兆
事件はある日の夜に起こりました。
その日ボクは家族皆が寝静まった深夜に帰宅し、食事を食べたあとで少しネットサーフィンをしようと、いつものようにMacbook Airを開きました。
振り返れば2つの予兆がありました。
ログイン直後から冷却ファンが異常稼働していたこと。画面にUSBについてのなにか警告が出てきたことなど。
ただファンの稼働自体は、ときに大きくなることもあり、あまり気にしていませんでしたし、USBについても2つのポートのうち、1つはワイヤレストラックボールに常時使用しているものの、もう1つのUSBポートを使用しておらず、深く読まないままに警告を削除しました。
事件発覚 なぞの発火体
恥ずかしい話ですがボクは普段から鼻が悪く、軽度の嗅覚障害、ようは鼻が馬鹿だと自負しています。
その日異常なファンの音が煩いなと思っていたところ、さすがのボクでも分かるほどはっきりと、ビニールか何かが溶けたような匂いが段々と強まってくることに気が付きました。
何が匂うのだろう?と鼻をヒクヒクさせていると、どうも電源ポート付近が異常に熱く、匂いの元であることに気が付きました。
そこでさきほど無意識で消していたUSBポートを思い出し、その奥を見ると、発光体が見えます。
USBポートの奥にぽーっとオレンジの光源が見えたこの時点でも、平和ボケしたボクは「USBポートってもしかして通常稼働時も光っているものなのかも知れない」なんて悠長な感想を抱いてしまいました。
USBポートが燃えている?
しかし、とにかく異常に熱くなってきており、匂いも強まっている状態だったので、ようやくこれは一大事とばかりシャットダウンをしました。
すると匂いも軽減し、USBポート奥のオレンジの光も消滅しました。
さすがに愚鈍なボクもUSBポート付近が異常発熱を引き起こし、周囲を溶かしていると冷静に受け止めることが出来ましたが、この症状が一過性のものかシャットダウンしたことで回復が得られるかを試してみようと考え、もう一度電源を入れてみました。
やはりUSBポートが燃えている
するとどうでしょう。ログイン画面が点灯する数秒後にはまたUSBポートに発光体が見え、あろうことかその発光体がみるみる大きくなって来ます。
匂いも強烈に立ち込めますし、大慌てで再度シャットダウンしました。
そしてUSBポートを改めて確認したときの写真が冒頭の写真です。
ポートが明らかに焦げていることがわかります。
幸いその後匂いも発熱も収まりましたが、秒単位での発光体が膨張する様は「Macbook Airから火が出る?爆発する?」と本気で考えさせるに足る出来事でした。
ネットで情報を渉猟するも・・・
今回の出来事は非常に身の危険を感じさせるものでしたが、果たしてこうした出来事は実はよくあることなのか?
原因と発症頻度を探るべくスマホでネット情報を漁りましたが、「バッテリーが燃えた」、「非正規品電源コード接続中に異常発熱」「24時間サーバー稼働中の発火」などの情報は見つかるも、今回のようにUSBポートの奥が燃えたという情報は見つかりませんでした。
ただ、「ノートパソコンから煙が出た」という報告はあり、概ねパソコン内部にホコリがたまり、基盤やコンデンサーの過放電?で発熱⇨発火というしくみのようです。
情報を整理
Windowsパソコンも含め、バッテリーと電源コード関係で発熱・発火が報告されていたので、ここで一度状況を整理します。
パソコンの使用環境はMacBook Air (11-inch, Early 2015)、OSはMojave ver10.14.3で比較的新しいバージョンです。
また本体改造や増設もしていません。
アクセサリーについては、電源コードが未接続、件のUSBポートも未使用(反対にはトラックボール用のbluetooth端子挿入)でした。
高度に演算処理を必要とするアプリケーションもインストールしていませんし、複数のアプリを同時に立ち上げてCPUに負荷を掛けることもしていません。
普段から持ち運んでいるものですので自分の知らない間に子どもが液体をかけてしまったり、何か無理やり突っ込んだということは考えにくい状況です。
事件の数時間前にも通常通り作業を行い、スリープモードで一旦作業を中止し、数時間後にスリープを解除したところ事件が起こった次第です。
再度電源を入れてみる
ネットで情報を探しても該当する事象は見つけることが出来ませんでした。
そうこうしながら観察していましたが、幸い起動させなければとりあえず発熱は起こらないことも確認できました。
しかしこのまま二度と使用出来ないとなるといろいろ不都合が出てきます。中でもバックアップを直近取っていないことが最も困ります。
数時間考えたのちに、異常発火だとしても十分冷却されたことから再燃しないのでは?と多少楽観的に考え、バックアップを試みるべくコワゴワと改めて電源を入れてみました。
異常があればすぐにシャットダウンするように馬鹿な鼻にも集中して臨戦態勢で臨みましたが、幸いファンの異常も、USBの警告音も、もちろん発火体も出現せず、当座は稼働出来ました。
しかし、一度異常発熱し、あわや発火するかも?とまで思われたパソコンを悠長に使い続けるわけにもいかず、Appleに問い合わせを行うこととしました。
Appleの塩対応
Appleのサービスにメールを送り、サービスの方と直接電話で話をしました。
一般的なサービスのオペレーターの方に事情を伝達すると、専門部署とのやり取りが必要とのことで、専門部署のオペレーターから再度連絡をもらい、以後最後までその方が対応して下さいました。
そのオペレーターの方は非常に親身になって下さりましたが、こちらの訴える事象が実際にどんな事象であったかを確認しないことには何も言えないとのことでした。
要は実物をAppleサイドで確認しないといけないとのことで、その方法として①Appleに現物を送付する。②正規代理店に持ち込み、確認してもらう。③写真で判定してもらう、という3つです。
僕の場合、なかなか実店舗に持参出来そうになかったことと、写真を見れば焦げたことは一目瞭然と考え③を選択し、冒頭の写真をAppleに送付し返答を待ちました。
Appleの返事はまさかの「経年劣化」
写真を送付して数時間。
オペレーターの方から告げられたのは「経年劣化による事象の範疇。修理可能するならば、保証期間が過ぎていることから通常通りの有償対応で、修理費用は一律53,000円」というものでした。
また「もし焦げるような異常発熱があればもう一度電源が入るはずもない」という内容も伝えられました。
つまり、ボクの思い込みでは?という意味にも取れます。
Macbook Airから発火の恐れ
「突然USBポートが異常発熱して、有機溶媒の溶ける匂いが立ち込め、奥に見える赤い光がみるみる増大」という事態から「Macbook Airから火が出る/燃える」ことまで想像してしまうほどの出来事。
実際、写真の通りUSBポートは焦げて変性しており、放置しておけば「Macbook Airから発火」の恐れも、単なる思い込みではないはずです。
電子機器ですし、ハードディスクのトラブル、液晶の不具合などで通常使用が困難になるような故障でも経年劣化で起こることもあるでしょう。
しかし今回起こったのはパソコンそのものが身の危険を感じさせるような出来事です。
例えば石油ストーブを始めとした熱器具だとしても、異常発熱・発火が起きたとして、果たしてそれを経年劣化と呼ぶでしょうか?間違いなくリコールの対象です。
実際、古い暖房器具で異常発熱・発火の恐れがありリコールを呼びかけているものがあります。2018年にも富士通が同様にバッテリーについて換気を促しています。
そんな中、今回のような「Macbook Airから発火」の恐れを「経年劣化による事象」と片付けてしまうことへの妥当性がボクには全く理解出来ませんでした。
以上のような不満をオペレーターの方に正直にお伝えしました。
しかし、オペレーターの方は同情を示してはくれますが、「保証期間を超えたものであるため」という説明を繰り返し、「メカニック部門(正式名称は忘れてしまいました)が下した判断であり、オペレーターの身ではこれ以上どうすることも出来ない」という弁明でした。
Appleの塩対応に思う2つのこと
今回のAppleの対応に2つの感想を抱きました。
「Macbook Airが発火する」ことは経年劣化なのか?
「Macbook Airから発火」の恐れという出来事がボクのMacbook Airに起きたのは「運が悪かった話」です。
別段今回の事例を以てMacbook AIrが欠陥品だ!と考えているわけではありません。たまたまボクの持つMacbook Air個体に生じたイレギュラーな不具合だと解釈しています。
従って、その修理費用の一部をボクが負担することになっても仕方ないでしょう。
しかし、経年劣化という扱い方をされると、ボクが所有する個体の問題ではなく、Macbook Airという製品そのものに内包するリスクであることを意味します。
経年劣化=時間による損耗により起こりうる事象ならユーザーからの報告がもっと挙がるのではないでしょうか?
Appleが「Macbook Airは購入後4年で燃えることもある」と正式に認めた?
購入して4年のパソコンが「燃える」なんてことを通常使用中に想定しませんよね?
でも今回の出来事をまとめると、Macbook Airは購入後4年経過時点で異常発熱し、発火を懸念させるような深刻な破損が、「経年変化」つまり通常使用で起きることがあるとAppleが正式に認めたもの、と受け取りました。
Appleの対応で納得出来なかったこともう1つのこと
Appleの回答には不満ですが、自分ではどうすることは出来ないというオペレーターを攻めてもただ相手を困らせるだけですので、先程の確認方法で挙げられた①実物をAppleに送る、という方法で実際に見て確認して貰いたいと考えました。
「電源が入った」という理由で、異常発熱や焦げたという部分についてなんの言及もなく判定されても、実物を見て、機械内部を確認して貰えれば焦げ付いた状態が具に見えるはずです。
そう考えた提案への返答は「対応可能だが、送付した時点で有料修理を受諾したものと見做す」というものでした。
要は、実物を確認しようが結論は変わらないという意味です。
Appleの融通の利かなさと修理費から透ける狙い
別にボクは欠陥品なのだから新品への交換や無償交換を要求したわけではありません。購入して4年程度経過し保証期間を逸脱しているため、「故障」という範疇で考えれば一部有償であることは致し方ないのかなとも思います。
従って、修理が有償だとしても、Apple側も製品個体の瑕疵を認め、費用を折半するなりの対応として頂きたかったです。
購入してたかだが4年ほどで発火する事例を「経年劣化」と、恰も「当然のリスク」のようにこちらに責任をすべて押し付けられることは、正当化されるのでしょうか?とボクは不満を抱いたわけです。
また実物で確認して欲しい、という願いすら「有償対応が前提」とされ、責任の所在を予め決めておくというのも解せません。
しかも、修理費用も一律53,000円という価格は、定価の半分に相当する高価な設定であり、修理して使い続けることを断念し、新規購入を促す意図とも受け取れます。
(恐らく修理としては基盤の交換を要すため比較的高額を要すことも理解出来ますが)
最後に
小さい頃から父がApple製品を好んで使用しており、そうしたことを踏まえるとボク自身のAppleとの付き合いは20年来に及び、Apple製品も枚挙に暇がないほど使用して来た生粋の信者と自負しております。
しかし、今回の一連のAppleの対応は、そんなApple信者でさえも今後使用を控えようかなと思うような残念な対応でした。
今回の記事をお読みになって、正当な企業の対応であり、ボクの主張が誤りだと感じる方ももしかしたらおられるかも知れません。
そうした批判をもしかしたら受けるかも知れませんが、個人的に非常に残念かつ、こうした事例があることを知って欲しいと思い、記事化しました。
皆さんの身に降りかからぬよう祈念しております。
また原因などについて指摘出来る点があれば謎の解明のためにもコメント頂ければ幸いです。