こんにちは「とある医師」です。
この記事では『新生児期〜1歳頃』のチャイルドシート『ベビーシート』を選ぶ上で欠かすことの出来ない基本事項と選ぶポイントについてまとめていきます。
前回記事でチャイルドシートを選ぶ上で『新生児期〜1歳頃』、『新生児期〜4歳頃』のカテゴリーが鍵となることを学びました。
でも、Amazonを始めとした多くのサイト・ブログでの年齢カテゴリー分類を見ると『新生児から使用可能なチャイルドシート』と一纏めにされていることが多いです。
『新生児から使用可能なチャイルドシート』には『新生児期〜1歳頃』、『新生児期〜4歳頃』使用可能なチャイルドシートいずれもが該当し、『新生児から使用可能なチャイルドシート ランキング』などを見ても両者の区別がないまま順位付けをされています。
しかし『新生児期〜1歳頃』、『新生児期〜4歳頃』使用可能なチャイルドシートは全く似て非なるものです。
ベビーシートとは
まずここで紹介する『ベビーシート』は対象年齢が新生児から1歳頃のチャイルドシートのことです。
対して『チャイルドシート』と言うと新生児から4歳頃を対象としたものを呼ぶことが多いようです。
ベビーシートのメーカー
実はベビーシートを販売しているメーカーはあまり多くありません。
ここでは大手ではコンビとJoie ジョイー、マキシコシ MAXI-COSI 。
そして日本ではメジャーではないですが実は海外でとんでもなく有名なブリタックス・レーマーの4社。
あと、番外編としてストッケのベビーシートも紹介したいと思います。
圧倒的にマキシコシ MAXI-COSI が有名かも知れませんが、実は少しずつ特徴に違いがあるようです。
次記事では、重量などのスペック、価格といった客観的な項目でそれぞれのベビーシートを比較していきたいと思いますので、手っ取り早く見たい方はそちらをご覧になって下さい。
ベビーシートの共通する機能とは
メーカーによって”1人3役で大活躍”とか”1台で4つの場面で使えます”などアピールしており、あれもいいな、これも良さそうだなと迷いますよね。
でも各社のベビーシートを比較していくと、ベビーシートは基本的に新生児用のチャイルドシートとしての機能と、ベビーシートごと赤ちゃんを車内から車外に持ち運べる『ベビーキャリー』、そしてそのまま屋内では『バウンサー』としての機能をみな持っています。
「チャイルドシート」「ベビーキャリー」「バウンサー」
この3つはベビーシートに共通する機能と言えそうです。
しかし注意が必要なのは、構造上は使用出来ても重量に結構ばらつきがあり、特に女性ユーザーにとっては一部『ベビーキャリー』としては不向きなべビーシートもあるということです。
ベビーシートを選ぶポイントとは
ではベビーシートを選ぶポイントはどういったところにあるのでしょうか?
ベビーシートのメーカーごとの機能的な違いは
- ISOFIXへの対応の有無
- 『トラベルシステム』に対応しているか否か
- ベビーキャリーとしての使い易さ
という3点で考えると分かり易いようです。
ベビーシートを選ぶポイント① ISOFIXについて
New Baby Car Seat - 3 Months - June 1962 / RichardBH
まずポイントを先に挙げておくと
- ベビーシート単体では全てのメーカーがシートベルト固定
- ISOFIX対応には専用アタッチメントが必要
- ISOFIXに対応しているメーカー、していないメーカーがある
とまとめる事が出来ます。誤解されやすい事柄ですが、
ベビーシート単体ではどのメーカーもシートベルト固定式です。
安全と信頼を勝ち得ている有名なマキシコシもブリタックス・レーマーも、ベビーシート単体の固定は全てシートベルト式です。
ISOFIX固定とする場合には、必ず別売の専用アタッチメントを装着する必要があります。
そしてISOFIX自体が比較的新しい安全基準なので、基準が定まる前のものは未対応ですし、最近のものは全て対応していると考えてもいいと思います(但し別売アタッチメントがそれぞれ必要)。
ベビーシートの安全性 ISOFIXについて
そもそもベビーシートは当然チャイルドシートですから赤ちゃんの安全性が第1です。
ではISOFIXの有無でベビーシートの安全性に差はあるのでしょうか?
これは比較した文献や資料を基にしているわけではありませんのでボクの私見になりますが、シートベルト式でもきちんと適正に装着した場合はどのベビーシートでも安全性はある程度担保される、とボクは考えています。
その理由は各社メーカーがその時代に合わせた安全基準に則って開発・販売したものであるからです。
逆に言うと信頼出来るメーカーであるからこそ言えることでもあります。
そういった意味では今回紹介したメーカーはいずれも信頼出来ると考えています。
その上でシートベルトよりもISOFIXの方が「誰にでも簡単にミス無く装着出来る」点で優れていると思います。
心配であればISOFIX固定を選ぶのが賢明だろうと思います。
因みにISOFIX固定の場合はそれこそ国際規格ですので、メーカーごとの安全性にほぼ差はないだろうと思います。
メーカーごとの違いという意味では、別記事で紹介しますがマキシコシのペブルプラスやブリタックス・レーマーのベビーセーフSHRⅡのようにISOFIXに加えてメーカー独自に「より安全に配慮」したベビーシートも販売されています。
ベビーシートにISOFIXは必要か
つまり、ベビーシートとISOFIXについて考えた場合、客観的に安全面でいずれも劣るものではなく、ISOFIXはプラスポイントと考えると理解し易いのではと思います。
- シートベルト方式≦ISOFIX固定<マキシコシペブルプラス、ブリタックス・レーマー ベビーセーフSHRⅡ
こんな不等号がボクなりの答えです。
ISOFIXの注意点
ISOFIX固定にはどのメーカーも専用のアタッチメントが必要となりますが、まず比較的高価であることに注意が必要です。だいたい本体と同等の金額が目安です。
またサイズについても特に注意が必要です。
車の座面にアタッチメントを接続させると結構なサイズ感となります。
基本的にはベビーシートは後部座席に装着させると思いますが、
ISOFIX用アタッチメントを装着させると助手席を前に移動させないとギリギリだった
というクチコミも見られます。
また複数の車でベビーシートを利用する場合、専用ISOFIXアタッチメントをその度に付け替えるのは大変手間というクチコミも見られます。
安全な方が良いというのは間違いではありませんが、過剰に安全さを求めるあまり車内環境が悪くなったり、予算オーバーで他のものが買えなくなった・・・なんてことにならないように配慮が必要ですね。
ベビーシートを選ぶポイント② トラベルシステムについて
Murray from Adelaide / psbikes
ベビーシステムには『トラベルシステム』に対応するものとしないものがあります。
そして対応方法もメーカーによって異なることが多いようです。
『トラベルシステム』という耳慣れない言葉が出てきましたが、そもそも『トラベルシステム』とはどういう意味なのでしょうか。
「どのベビーシートを購入するか」を考える上で『トラベルシステム』を理解することは非常に大切です。寧ろ
予想以上に便利で、育児がグッと効率的になることを感動!
という喜びの声もあるくらいです。
トラベルシステムについてもう少し説明しておきます。
ベビーシートのトラベルシステムとは
ベビーシートの『トラベルシステム』とは『ベビーシートに赤ちゃんを座らせたままベビーカーにドッキングしてベビーカーとして使用出来る』システムのことです。
つまり、『トラベルシステム』に対応する場合にはベビーシートを『ベビーカー(の座面)』として使用することが出来ます。
ベビーシートが『ベビーカー』としても使える。
そう言われても、どうせベビーカーを買うから特別必要ないのでは?と思われるかも知れません。
しかし、ベビーシートのトラベルシステムには大きなメリットが3つあります。
ベビーシート トラベルシステムのメリット①
まず1つ目のメリット。
それは車でお出かけの際にベビーシートで眠ってしまった赤ちゃんをそのままベビーカーに接続させてベビーカーに早変わりするという点です。
ボクたち大人でも一定のリズムに揺られているとついウトウトしてしまいますよね。
車の振動が快適なのか赤ちゃんは運転しているとよく眠ってくれます。
一般的なベビーカーに移す場合「赤ちゃんを抱っこして、またベビーカーに移し替えて固定して・・・」と、慎重さを心がけていても赤ちゃんを起こしてしまうこともあります。
またすぐに寝てくれればいいですが、なかなか寝付けない場合も多いです。
そんな時、「折角寝たのに起こしちゃってゴメンね・・・」と思ってしまいます。
その点『トラベルシステム』に対応していれば『ベビーシート本体ごと移してベビーカーにセットするだけ』と簡単なので起こしにくく、寝たまま移動することが出来ます。
これを
感覚的には「ベビーベッドごと赤ちゃんと生活できる」という印象
と表現されている方がおられましたが、車の中だけではなく屋外でも』赤ちゃんはベビーシートの快適さを最大限に享受出来ますよね。
ベビーシート トラベルシステムのメリット②
もう1つのトラベルシステムのメリット。
それは既存のベビーカーを『活用』出来る点です。
ここでのキーワードは『ハイポジション』と『対面式』の2つです。
ベビーシート用に新たにベビーカーを購入しなくても、多くは専用アタッチメントを使用すれば既存の他社ベビーカーに接続して使用することが出来ます。
つまり、ベビーシート用に追加でベビーカーを用意する必要はありません。
しかもベビーカーと組み合わせて使用することで座面が高くなりハイポジションベビーカーとして使用可能であることも大きなメリットです。
ベビーカーを利用したことのある方はご存知だと思いますが、ベビーカーの座面の高さは案外重要です。
特に身長の高い女性や男性にとってはハイポジションシートとして利用出来る点は非常にありがたいはずです。
さらに、対面式でないベビーカーにつけ、対面式ベビーカーとして利用することが出来ます。特に新生児期においての対面式の安心感は計り知れないものがあります。
ベビーシート トラベルシステムのメリット③
ベビーシート トラベルシステムの注意点
但し、ベビーシートメーカーは海外メーカーが多く『トラベルシステム』に対応可能メーカーは海外ブランドが多いことには注意が必要です。
お手持ちあるいは購入予定のベビーカーが『トラベルシステム』に対応するかは事前に調べた方が良さそうです。
或いは、次の記事でも紹介するJoie(ジョイー)では、独自の対応ベビーカーと予めセットで製作しており利便性が大きく向上しているコンビネーションセットも販売されています。
ベビーカーの選定と併せて考えるのが良いと思います。
●次記事はこちら
ベビーシートを選ぶポイント③ ベビーキャリーとしての使い易さについて
上で書いたように実は同じ「ベビーシート」というカテゴリーでも最軽量と最重量では約2.9kgから4.7kgと1.5倍以上違いがあります。
そのため、重いものはベビーキャリーとして使いにくい可能性もあることに注意です。
具体的なメーカーごとの重量については次の記事で比較していきます。
ここまで学んだことをまとめていくと
『ベビーシート』とは、
- 対象年齢が新生児から1歳頃のチャイルドシートのこと
共通事項として、
- 「チャイルドシート」「ベビーキャリー」「バウンサー」は共通機能
- 「ベビーキャリー」としては不向きなものもある
- ベビーシート単体では全てのメーカーがシートベルト固定
機能的な違いは、
- ISOFIX対応、トラベルシステムへの対応の有無でメーカーごとに違い
- ISOFIX対応可能メーカーもあるが、専用アタッチメント固定が必要
ベビーシートを選ぶポイントは、
- ISOFIXには対応車種やサイズ感の問題もあり、本当に必要かよく考える
- トラベルシステムの対応と、ベビーカーを併せて考えると選びやすい
次の記事ではマキシコシ、コンビ、ブリタックス・レーマーに加えてストッケといったメーカーのベビーシートについて、重量や価格、そして使い方から『どのベビーシートを選ぶのが最適解か』について考えていきたいと思います。
●次記事はこちら