こんにちは「とある医師」です。
赤ちゃんや子どもが成長する過程で悩むことってたくさんありますよね。
寝かしつけや食育、習い事、早期教育などなど。
考えるときりがないですが、その1つに「しつけ」でお悩みの方もおられると思います。
今日はそんな親御さんたちにぴったりな1冊を紹介したいと思います。
タイトルは『子供の脳を伸ばす「しつけ」〜怒る前に何をするかーー「考える子」が育つ親の行動パター〜』。
我が家の赤ちゃんはまだ小さいので本格的な不良行為で悩まされることはありませんが、ついつい言うことを聞かなくて困ってしまうことも多々あります。
特別「しつけ」に悩んでいたわけではありませんが、タイトルを見て興味を持ち読んでみました。
内容として、
- 「しつけ」とは子どもに思い知らせることではなく、教え導くこと
- 「しつけ」の極意は「子どもが癇癪・問題を起こした時こそ、子どもの成長の糧になる」
こうした内容がさらっと書いてあります。
そして本書の副題は『怒る前に何をするかーー「考える子」が育つ親の行動パターン』。
これだけでもこの本読んでみたいなと思いませんか?
『子供の脳を伸ばす「しつけ」』の魅力を今から紐解いていきます。
『子供の脳を伸ばす「しつけ」』の内容
Photo:Discipline By Grotuk
『子供の脳を伸ばす「しつけ」』というタイトルどおり、この本は子どもの「しつけ」についての本です。
細かい内容は実際に手にとって頂くか、例えばAmazonなどの商品説明ページを見て頂ければわかりますが、少し引用しますと(一部割愛)
子どもが悪さをしたとき、親は「どう」すべきか?
こんなに科学的な「しつけ」が今まであっただろうか!全米の親たちがもっとも効果的と絶賛!
ニューヨークタイムズベストセラー!「いい加減にしなさいっ!!」どなる前に、この本を読んで下さい。
- 「この本のしつけを実践して、本当に驚くほど子どもとの関係が変わりました」(30代会社員男性)
- 「今までのしつけが何だったのか、と思うほど、嬉しい発見がたくさんあります」(40代会社員女性)
そして、さらにこういった言葉で締め括られます。
脳科学と心理学を応用した精神療法を実践してきた著者らが、子どもの脳と心を成長させる「しつけ」の具体的方法を伝授する。
正直に言いまして、この宣伝文句はやや煽り過ぎでは?とボク自身は感じますが、それでもボクは『子供の脳を伸ばす「しつけ」』という本は一読の価値があると思っています。
もう少し掘り下げていきましょう。
『子供の脳を伸ばす「しつけ」』の内容をまとめると
あくまでボクなりの解釈ですが、この本の内容を一言で表すと、
- 「しつけ」とは”教え導く”ことであり、間違っても押し付けるものではない。
- 癇癪を起こし”キレた”子どもをいくら諭しても効果はない。なぜなら”キレて”いる時の子どもの「脳」は言葉を聞き入れられる状態ではないから。
- 子どもが何かしでかした時に親が”キレて”どなっても効果がない。なぜなら親がどなる、或いはヒステリックに怒っても、それは「指導ではなく、怒りをぶつける」ことに他ならないから。
こうした内容を科学的な根拠を基に説明してくれるので、「言われたらその通りだな」と納得し易いと思います。
また、子どものワガママについて、最初はワガママに付き合っていても全然言うことをきいてくれないと、そのうちこちらも怒ってしまって「もうママ(パパ)は知らないよ」だとか「勝手にしなさい!」と突き放してしまうことってありませんか?
特にこちらにも余裕がない時にはどうしてもそうした対応になりがちです。
でも『子供の脳を伸ばす「しつけ」』の著者は、キレたり我を失った子どもこそ、周囲との”繋がり”を強く必要としていると繰り返し伝えます。
突き放すのではなく安心させてあげることが大事。
そう諭してくれます。
こうしたメッセージはガツンと胸に響きます。
『子供の脳を伸ばす「しつけ」』 類書との違い
「世に怒らない/イライラしない育児」などの育児本はたくさんありますよね。
実は『子供の脳を伸ばす「しつけ」』も広い意味で言えばこのカテゴリーに入るとボクは思います。
一般的な「世に怒らない/イライラしない育児」的な本にも、中には『子供の脳を伸ばす「しつけ」』と同様に”怒っても伝わらない”といった内容を記しているものもあります。
しかし、趣旨としては子どもの態度や行いに対しこちらまでカッカすると”疲れる”ので、”子どもに振り回されないようにしよう”といったスタンスが多いように感じます。
子どものせいで親まで疲れないようにするための方法論として”怒らない・イライラしない
”。
でもボクはこうした考えは間違いだと思っています。
勿論こちらが疲弊して結果的に自分も子どもも窮屈になるのはよくありませんので、厳密に間違いと断じる訳にはいきません。
でも、目線が自分(親)にばかり向いているのでは?と感じます。
”怒らない・イライラしない”は自分のためではなく(勿論自分のためでもありますが)、あくまで子どもの為にそうすべき、と考えます。
そうした意味で『子供の脳を伸ばす「しつけ」』は徹底して目線が子どもに向いています。
子どもや赤ちゃんのために親が怒らずに接する・伝えるというスタンスです。
さらに、実際に怒ったりイライラしている時に例えば「子どもに怒ってもダメ」と誰かに言われたところで、簡単に怒りの矛を収められませんし、怒らずにいられるようになりません。
「そんなことわかっているけど!無理」と却って反発心を覚える場合もあると思います。
でも『子供の脳を伸ばす「しつけ」』は非常にわかりやすい文体で「なぜ怒ってはダメなのか」、「どうすべきか」を教えてくれるので、一見誰かに指摘されても受け入れ難い事柄をきちんと受け入れやすいと思います。
あまた類書がある中で『子供の脳を伸ばす「しつけ」』が素晴らしいと感じた理由はまさにこうした点だとボクは思います。
『子供の脳を伸ばす「しつけ」』の残念なところ
上記のように『子供の脳を伸ばす「しつけ」』は”我を失っている子どもにいかに怒らず、いかに接し、より良い方向へ促してあげられるか”を解り易く教えてくれるという点では良書ですが、欠点も感じます。
それは、くどいこと・・・。
同じような内容が書き方を変えて反復されますので、最初は「その通りだな、ふんふん」と思いますが、読み進めるうちに「また同じことを言っているな」とややうんざりする印象はあります。
勿論繰り返し説明されることで余計腹に落ちやすいとのはあるかも知れませんし、あくまでボクの読後感ではありますが、もう少し内容をすっきりさせると良いなと感じていました。
また、帯や紹介内容がやや煽り過ぎな感もあり、特に宣伝文句だけだとさぞかし真新しい、目からウロコの内容を期待する方もおられると思います。
しかし帯や紹介内容に煽られ、「特別新しい方法論」を紹介してもらえると期待すると、一部期待を裏切られたと感じる方もおられるかも知れません。
目からウロコは目からウロコですが、それは宣伝文句で惹起させるような真新しいことではなく、言われてしまえば当然の内容を教えてくることが本書の美点で、”コロンブスの卵”だとボクは感じました。
『子供の脳を伸ばす「しつけ」』読んでなるほど!子どもに怒らず、子どもにきちんと聞き入れて貰う方法 まとめ
「しつけ」と言うとやや上から目線に感じますが、純粋に「子どもに対し過度に怒らない、怒っている子どもへの上手な接し、子どもを教え導く方法」についての本として読むと非常に理解し易い内容です。
しつけに困っている方は当然として、幸いしつけに困っていない親御さんも日常中での子どもとの接し方について、恐らく得られることも多いはずですので、読んでみてはいかがでしょうか。
他にも実際にボクが読んで、「読んで良かった!」と心から提案出来る本を紹介します。
参考になれば幸いです。
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