こんにちは「とある医師」です。


0265 / Cia de Foto

赤ちゃんや子どもってすぐに風邪をひいたり、鼻水がズルズルになってしまいますよね。

小児科や耳鼻科の待合では鼻水を垂らしたり咳をコンコンさせるお子さんとお母さんでいつも混み合っているとはよく聞く話です。

病院で鼻水を取ってもらうと「こんなにもあるの?」と驚くと同時に、すごくすっきりして治りが早くなるという経験ありませんか?

そして、皆さんこう思うはずです。

家でも鼻水をとる上手な方法はないだろうか?

調べると”鼻水吸引器”、”鼻吸い器”という器具に辿り着きます。

さらに調べると電動式と自分で吸うタイプの2通りの鼻水吸引器があることを知ります。

アナログの後者は数百円程度とかなり安く、前者は製品によりけりですが3,000円から10,000円以上と比較的高価です。

恐らく多くの方は安価な「自分で吸うタイプ」を試して、「使える/役に立つ」という方は継続するでしょう。
残念ながら「使いにくい・使えない/役に立たない」と感じた方が電動式を試してみようかな?とさらに調べる。

こうした流れが多いのではないかと推察します。

このページに辿り着いた方は、その中でも例えば電動式の2大巨頭スマイルキュート、メルシーポットのどっちがいいのだろう?などとお悩みではありませんか?

でも感覚的なものですが「鼻水を取るのに15,000円の器械を買う」って抵抗ありませんか
?ボクは思いました、「高っ」って。

セコくてすみません。。。

この記事では、鼻水問題に対してわが家ではどのように対応したか?を紹介したいと思います。

因みにボク自身、吸引器については力をいれて調べ、記事化しました。
吸引器について興味をお持ちの方は、本記事とも補完的な内容ですのでご覧になってみてください。

赤ちゃん子どもの鼻水。スマイルキュート、メルシーポット電動吸引器を圧倒する方法とは?


baby / Yuchao.L

前置きが長くなりましたので結論を先に簡単に述べます。
赤ちゃん子どもの鼻水。スマイルキュート、メルシーポット電動吸引器を圧倒する方法とは?
それは、『自分で鼻をかむ』ことです。

そして鼻水吸引器は鼻をかめるようになるまでのつなぎとしては必須

「は?」と思われた方、少し補足させて下さい。
ここでボクの答えに疑問を感じた方は2パターンだと思います。
「それ(赤ちゃん子どもが鼻をかむ)が出来ないから困っている!」或いは「自分の知らない『上手な鼻水の吸い方やもっと優れた器械』を教えてくれるんじゃないの?」という疑問です。
でももう一度言いますが、鼻水に対する最も優れた方法は『自分で鼻をかむ』が正解です。
なぜボクがこう述べるかもう少し説明していきます。

この件についてのボクのアドバンテージ

医療に直接携わる職業柄、ボクにはこの件については様々なアドバンテージがあります。
まず医学教育を受けており、病気や病態について医学的知識、また鼻・鼻腔といった解剖学的知識をある程度有している点。
或いは自身では詳しく無くても昔の教科書を引っ張り出すことも出来るし、専門書/文献へのアクセスが容易な点。
さらに最大の利点は小児科医や耳鼻科医の同僚、知人、友人から直接教えてもらうことが出来る点だと思います。
但し、今から述べる内容も所謂「エビデンス」というものではなく、逆に言えばせいぜい医学成書の記載、或いはボクの周囲の医者の見解を集めて、ボク自身が最終的に考えた内容という点はどうぞご留意下さい。

子どもが鼻水を自分でかむということ

鼻水に対する最も優れた方法が『自分で鼻をかむ』と聞いて、「は?」と思われた方にお聞きします。
皆さんはなぜボクの答えに疑問を感じましたか?
或いはこう言い換えることも出来ます。
なぜ的外れな答えだと思いましたか?
さらに「は?」と思われた方、すみません、まどろっこしい言い方でした。
ボクがお伝えしたいのは「子どもが鼻をかむことが出来ないのは『当然』」だから「外から吸って取ってあげるしか方法がない」と決めつけていないか?という意味です。
つまり、例えばスマイルキュート、メルシーポットどっちが良いか?とこだわる前に、あくまでこうした機器を買うのは、子どもが自分で鼻をかむことが出来るまでのつなぎであることを認識して欲しいということです。

逆に言えば、赤ちゃんや子どもはいつから鼻を自分でかめるんでしょうか?

子どもが鼻水を自分でかむということ

こうしたことって、実は考える機会少ないですよね。

うろ覚えで恐縮ですがボクが調べた教科書によれば、早ければ1歳半頃から鼻をかめるようになると記載がありました。

「そんな早くからかめるの?!」と思いましたが、実際耳鼻科医によれば早ければそのくらいでかめる子もいるようです。

一般的には赤ちゃんとは生後1歳程度までを指すことが多いようですので、正確を期すなら、赤ちゃん子どもの鼻水に対しては

  • 赤ちゃんは当然、子どもも鼻をかめるようになるまでは、親が取ってあげる
  • 1歳半を目処に鼻をかむ練習をする

こうした方法が最適解であることがわかります。

子どもが鼻をかめるようになる練習

では実際にどうしたら子どもが鼻をかめるようになるのでしょうか?

これもうろ覚えで恐縮ですが例として書いてあった方法や、同僚に聞いた例を挙げると

  • ティッシュを短冊状に切る
  • 切ったティッシュを親が鼻息で「ふーん」と、はためかせて興味を持たせる
  • 興味を持ったところで、やってみる?とさせてみる
  • こうして遊び感覚で「鼻をかむ」という行為を体得してもらう
というような流れだったと思います。
試しに検索してみると体験談的な話も出てきますね。

子どもが鼻をかめるようになるコツ

当然ですが、1歳半、2歳の子どもに「こうするんだよ」と教えてすぐ出来るようなものではありません。
そのため多くの場合「小さな子どもには難しい」と諦めてしまう親御さんも多いようです。

しかし、鼻をかむという動作は、例えば箸を上手に使うなどと違って、何ら複雑な動作ではないことは皆さんご理解されていると思います。

子どもが出来ない理由は1つ。「鼻をかむ」という動作を知らないからです。

親御さんに必要なのは、鼻をかむという動作をゆっくりと見せてあげて、興味を持つように誘導してあげることです。
つまり、興味さえ持てばあっという間に出来るようになります。

ただ、鼻が詰まった時に自分で率先して鼻をかむ、という意識付けはなかなかレベルが高いので、お風呂の中や寝る前に鼻をかむなどの習慣とするなど、適宜提案してあげて下さい。

子どもが鼻をかめるようになるまで

逆に言えば鼻をかめるようになるまでの最短1年半から2年の間は、外部から吸うほかありません。
その方法論として「自分で吸う/器械で吸う」の2択しかありませんのでアナログな器具で吸えるならコストパフォマンスも良いですし、難しいようなら電動式を用いるのも1つでしょう。
これだけだと拍子抜けされる方も多いと思いますので、自分が調べたこと、体験を交えてもう少しお話させて下さい。

赤ちゃん子どもの鼻呼吸の重要性、知っていますか?


baby / Yuchao.L

まずは、そもそも鼻汁ってそこまで躍起になって取らないといけないのか?という点について、考えたことがありますか?
ここまで鼻汁を取る方法について考えてきましたが、
  • 鼻汁はなぜ取らなくてはならないのでしょうか?
  • 取らずに放置しておくとどうなるのでしょうか?

子どもと大人は呼吸様式が違う

多くの方は意識していない場合もありますが、ボクたち人間は呼吸をする経路として口と鼻があり、それぞれ口呼吸・鼻呼吸と言います。

新生児から乳児期は特に鼻呼吸が呼吸の大部分を占めており、鼻呼吸は大人に比べて非常に重要です(段々月齢・年齢が上がるとともに口呼吸のウェイトが増してくるようです)。
しかし赤ちゃんや子どもの鼻腔の体積は当然まだ小さいので、そこに鼻水が停滞していると一気に鼻腔における息が通るスペース(気道)が減るんですね。
しかも自分で鼻をかめませんし「鼻が詰まるから取って」と声に出して訴えることも出来ません。

小児と鼻呼吸による睡眠障害

そうして鼻汁により鼻閉が起こると効率的に鼻呼吸を妨げることになります。
鼻呼吸が妨げられと、必然的に睡眠の質が劇的に低下します。
試しにご自身で鼻をつまむかティッシュを入れてしばらく過ごしてみて下さい。
結構辛いはずです。
口呼吸をよくしている大人でさえ短時間で苦しいのですから、鼻呼吸が主体の赤ちゃんにとって、鼻呼吸が出来ないことがいかに苦しいか体感出来ると思います。
赤ちゃんにとって如何に睡眠時間が大切かは皆さん意識していると思いますが、その睡眠の質を劇的に下げるのが鼻閉だという事実も是非知っておいてあげて下さい。
鼻水による鼻閉は基本的には上気道炎による短期的な症状ですが、中等症以上のアレルギー性鼻炎やアデノイド増殖症など器質的な理由で鼻閉がある場合、小児睡眠時無呼吸症候群という睡眠障害の1つに至る場合もあります。
”小児、睡眠時無呼吸症候群”という検索用語で検索して頂くとたくさんの有益なページがありますので気になる方はご覧になって下さい。
多くは短期的な鼻汁のみでは睡眠時無呼吸症候群のように長期的な症状は出ませんが、日々の鼻閉を回避することが大切だということはご理解頂けると思います。

鼻水と中耳炎

もう1つ、鼻汁を放置していた場合、中耳炎リスクが高まります。
小児の中耳炎のほとんどは鼻腔からの逆行性感染とされており、鼻汁のある状態が長引けば中耳炎リスクも高まります。
中耳炎になると耳が痛い、熱が出るなど新しい症状が出現しますので、こうした観点からも鼻汁は早期に改善する方が良いでしょう。

たかが鼻水と侮るなかれ。赤ちゃん子供の鼻水を吸うことの重要性はご理解頂けたでしょうか。

脱線し過ぎたので、話を戻します。

では、鼻を自分でかむことが、なぜ最も良いなのでしょうか?

鼻を自分でかむことが最強な理由

鼻を自分でかむことが最強な理由は簡単で、時間と場所を選ばないからです。

別記事でも紹介しますが、吸引器はアナログの小さなものから据え置き型のものまで大小様々です。

どのタイプにせよ、器械も何も必要としない、自分で鼻をかむという行為が最もシンプルであることに異論はないと思います。

逆に言えば、自分で鼻をかめるようになるまでは、外から吸ってあげなくてはなりませんので、鼻水吸引器は必須であり非常に大切です。

ただしあくまで鼻をかめるようになることが最終目的であることはしっかり認識しておくべきでしょう。

アナログ式から電動鼻水吸引器までを紹介した記事や、電動鼻汁吸引器の2大巨塔スマイルキュートとメルシーポットどちらが良いか?という記事、そして電動鼻汁吸引器のコスパを解説した記事もありますので、気になる方は参考にしてみて下さい。

わが家での鼻汁に対して採った戦略


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最後に「わが家では実際どのようにしたか」を記して、この記事を終わろうと思います。

当初はアナログ式の【ママ鼻水トッテ】を購入しましたが十分には吸えなくて困っていました。
電動式を買おうと悩んでいた矢先にふと、病院で使用しているネラトンカテーテルについて思いつき、試しにネラトンで吸うと効果抜群で以後続けていました。

実は介護用なのか、探すとAmazonその他でこうした医療用吸引カテーテルは販売されています。

(ただ、耳鼻科や小児科医院でもオリーブ型の吸引が使用されていることからも分かるように、こうしたカテーテルを無遠慮に使用すると鼻腔粘膜を損傷する恐れがあり、一般の方にはなかなかオススメ出来ません。利用される場合には例えば耳鼻科医院で鼻腔の構造を詳細に紹介してくれるサイトなどで学び、十分鼻腔構造を理解した上で親御さんの責任において行って下さい

当然鼻腔の奥にまでネラトンが挿入されるため子どもは強烈に嫌がりますが、効果は凄まじく、鼻汁にまつわる悩みはだいぶ軽減されました。

そして同時並行で鼻かみの練習をして、流石に1歳半では習得出来ませんでしたがもう少ししたところで無事に鼻かみ出来るようになりました。

因みに鼻かみの獲得方法は、せっかく学んだティッシュを用いた方法ですが、実は我が子は見向きもしてくれませんでした。

どうやったかと言うと、目の前でボクたち親が鼻をかんでいる姿をみせてあげていると、そのうち真似るようになりました。

ズルズルッという音と、「親と同じ行為を行いたい」という欲求で体得した感じでしょうか。

追記

無事自分で鼻をかむ術を覚えた我が子ですが、やっかいなのが風邪を引いたときや不意な鼻血ですよね。

こんな時に大活躍したのがベビーミストという鼻水の粘度を下げるスプレーです。
単なるスプレーですが思いの外役に立つので記事化しました。良ければ参考にしてみて下さい。

赤ちゃんの鼻水。スマイルキュート、メルシーポット電動吸引器を圧倒する方法とは? まとめ

  • 鼻汁による鼻閉は赤ちゃん子供のの睡眠の質を劇的に下げてしまう
  • 鼻汁が鼻腔内に留まっていると、中耳炎リスクとなる
  • 1歳半頃を目処に鼻かみの練習をする

従って、

  • 赤ちゃんは鼻をかめないので、鼻水は親が取ってあげる
  • 鼻水に対しては電動よりも何よりも「自分で鼻をかむ」が最強
  • 1歳半を目処に鼻をかむ練習をする

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小児用鼻洗浄から吸引、スプレーまであります。

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我が子にとって最適な方法が見つかることを祈っています。

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