こんにちは「とある医師」です。

愛する我が子。
大好きでたまらないはずなのに、気がつけばいつも「早くしなさい!」「してはダメ!」「なんでそんなことするの?!」なんて言葉ばかり口にしてしまう。

講じて子どもが何をしても条件反射的にイライラしてしまう。

瞬間的にカッとなって、普段なら絶対口にしないはずの言葉が漏れてしまう。

温かい、支持的な言葉が必要と頭ではわかっても、なかなか親の思惑通りにならない我が子や日常に否定的な言葉を繰り返してしまい、そんな自分に自己嫌悪に陥る。

そんないつもイライラして辛い人。育児の様々な悩みを抱えた人。育児に疲れて自信を失った人に

そして、それだけ辛いのに、ふと夫や周りから「そこまで怒らなくていいじゃないか?」なんて言われたとしたら・・・。

「そんなことわかってる!」「アナタに何が分かるの?!」

と怒りが爆発し、相手とも喧嘩してしまう。
同時に自分の辛さを共感して貰えないことがわかり、余計悲しみは深まりますよね。

そんな悩みを抱えながらも周りに分かってくれる人がおらず、孤独に耐えている人に。
出口のない閉塞感に潰されそうになっている人に。

そしてそのようなパートナーを側で見て力になりたいと思っている人に

ボクは「佐々木正美の子育て百科」を紹介したいと思います。

でも内容をお話する前に、少し長くなり、また恥部を晒すようで気が引けますが、我が家での出来事を披露します。

「佐々木正美の子育て百科」に救われた我が家

 
Deuil / Mourning / : Tétine :


実はボクがこの「佐々木正美の子育て百科」を書店で手にしたとき、我が家はまさに上のような状態でした。

ボクが仕事にかまけて家にほとんどいなかったため、妻が一人で子どもと向き合うことが常態化していました。
第二子も生まれ、手一杯となり、妻はほとほと疲れていました。
そんなことはお構いなしの第一子の態度に、妻のイライラが爆発。

そんな矢先に、迂闊にもボクが言ってしまったのです。

「子どもなんだから、そこまで怒らなくていいじゃないか」と。

先に言い訳をしておくと、妻が精神的にかなり追い込まれている状況であったことは理解していたつもりです。

ですから多少過度に反応しているなと思いながら、しばらく状況を観察していたのです。

しかし、さすがに子どもが不憫だなと感じる機会が多く目につくようになりました。
またイライラが怒りを呼び、妻自身がセルフコントロール出来ず自縄自縛となっている様も見て取れました。

ですので、自分としては出来るだけ妻にも配慮した、間違っても責めないよう努めたつもりでした。

我が家で起こった、ありふれた夫婦での出来事

結果、妻はボクの言葉にも過剰に反応し、怒る元気もなく悲嘆に暮れるという期待したとは真逆の結果を招いてしまいました。

そんな妻の態度に、とっさにボクも共感をより強く感じることが出来れば良かったのだと思います。
しかしボク自身も非常に仕事の面でストレスを抱えていた時期でもあり、白状してしまうと、反感を感じてしまったんです。

大変なのはお互いさま、自分「だけ」ではないはずだ、と。

さすがにそこで感情に任せて反論しようものなら火に油を注ぐ結果になることは明らかでした。
もちろんボクが可能な限り子どもの面倒をみる時間を確保することは当然として、その他とっさにボクが考えたのは、とにかく妻に冷静さを取り戻して貰わなくては、ということでした。

疲れ切った妻を見てボクが考えたこと


...passion / ocampo.rich

「子どもに四六時中つきっきりで、自分ひとりの時間がないから精神的に余裕がない」、
そんな忙しい中で、「子どもが我が儘で言うことを聞かないためにより精神的にも体力的にも追い込まれた」。

であれば「余裕がないなら可能な限り家事を減らせば良い」、部屋が荒れてても良いし、ご飯の用意ももっと手を抜いても良いのではないか、と提案しました。

そして、子どもとの関わりについては、「常に一緒にいて日常会話をしているから勘違いしがちだけども、子どもはあくまで子どもであり、日常会話の延長で同じ土俵で子供に要求し過ぎているのではないか」。

子どもが指示に従わないというよりは、子どもは母親と一緒にしたがっているからではないだろうか、と。
だから時間がかかり、面倒かもしれないけども、肯定的支持的な態度で接することが逆に問題解決に近道なのではないだろうか、と。

文章にすると上から目線な書き方になりますが、誤解を恐れずに書くとボクとしてはこのような形で妻の身体的なストレスを軽減し、精神的なストレスについては考え方を変えることで解決に近づくのではないか、と考えたことでした。

ボクに足りなかった決定的なこと

しかし、今思えば当然ですが、妻がすぐに冷静さを取り戻すことは出来ませんでした。

そしてボクが次に考えたのは、今は冷静さを失っているけど事の本質は妻もわかっているはずだから、伝え方を変えれば分かってくれるだろう。
また溜め込んだ不満を少しでも吐き出せたことで、余裕が生まれるだろう、ということでした。甘いですよね。

辛い要因を考え、そこから逆算すれば解決するはず、とボクは考えたわけですが、それは単なる決めつけだったのです。

妻は様々なストレスを抱え、出口のない閉塞感に押し潰されそうになっていたのでしょう。

そんな妻を助けるために必要であったことは、解決策を提示し妻を変えることではありませんでした。
ボクに足りなかった決定的なこと。それは妻を受け容れることでした。

「佐々木正美子の育て百科」 一言でボクは救われた

「佐々木正美の子育て百科」から得られたことは多数ありますが、最も救われたのはこうした視点を教わったことです。

一部内容を引用しますと、

自分がカッとなって、我を忘れて怒ることがあれば、自分に対する危険信号です。そんなときは、たいてい孤独ですね。

そういうお母さんのほとんどは、子どもを受容することが出来ない状態になっているのだと思います。(一部略)お母さん自身がご主人に受け入れられるとか、(一部略)親戚や学生時代の友人などから受け入れられていないと、人を受け容れることはできにくいのです。

(一部略)日常の生活の中でそういう人間関係を作ってなかったら、子どもを受け容れる感情の余地はできにくいのです。

この文章を読んだ瞬間、ボクの考えが如何に独りよがりであったか。
なぜ妻が閉塞感に苦しんでいることに気が付きながら、支えになってあげられなかったのか。

そんな疑問が氷解しました。

「佐々木正美子の育て百科」が教えてくれること


#68 A Pair of Hands - Holding Hands / RichardBH

辛いのはその人が周囲にきちんと受け入れられていないからである

ボク自身にとって、この短いパラグラフだけでも金銭では代えられない恩恵を受けましたが、「佐々木正美子の育て百科」には他にもたくさん目からうろこの教えが記してあります。

各章のタイトルだけを取り上げても

  • しつけは、ゆっくり、ていねいに
  • 子どもの健全な成長に欠かせない子ども同士で遊ぶこと
  • うちの子は「どうしてこうなの?」と思ったとき
  • 子どもの気になるクセや行動について
  • 子育てと家族構成と夫婦の関係
  • Q&A 質問にお答えします。こんなとき一番大切に考えたいこと

という内容で、まんべんなく育児について触れてくれ、各章の中にさらに細かく取り上げてくれる網羅的な内容です。

ついつい、我が家でも同じこと悩んでます!という事柄が随所に出てくるんですね。

いろいろな事柄について著者の佐々木正美氏の意見を聞くことが出来るということは、ある意味解り易い恩恵です。

しかしこれにはもう一つ大きな意味があります。

「佐々木正美子の育て百科」は、悩んでいるのは自分だけじゃないんだと教えてくれる


嗚...大家都欺負我!! / sⓘndy°

冒頭に挙げたように育児に悩む親は孤独ですよね。

そんな時、自分だけが駄目な親なんじゃないか、みんなはもっと上手に親をしているんじゃないか、って感じることも自分を追い込む理由だと思います。

でもいろんな観点で佐々木正美氏が述べてくれることを読むうちに、悩んでいるのは自分たちだけではないんだな、みんな同じように悩みながら育児しているんだな、という感覚が芽生えるはずです。

この感覚は、悩んでいたボクには響きました。

当然ながら読んだからと言って直ぐに現実の育児ストレスが解消されるわけではありません。
また本に書いた内容を具現化することは容易ではありません。

しかし、示唆に富み、違った目線を与えてくれるという意味では金言に溢れたバイブルといって良い一冊だとボクは思います。

昨今の育児書ブームに思うこと

昨今本屋さんに行くと、有名ビジネススクール出身者の「マッキンゼー式の育児法」や「脳科学者が考える育児法」などといった教育者以外が書いた本を店頭でよく見かけますよね。

或いは「我が子を超有名◯◯大学に入学させた母親の育児法」などのタイプもあります。

ああいった本はタイトルが非常に上手に練られています。思わず手にとってしまいますよね。
しかし、ボク個人の印象としてはあの手の本を読んでも得られることは多くありません。

言い方が悪いかも知れませんが、ビジネスや医学という育児以外の領域での手法=ノウハウを育児に当てはめて「それらしく書いた」だけと感じます。
或いは「私はこうやったら上手くいった」だけの内容とも言えます。

大抵の本は一般論、総論をまず述べ、その後具体的な例を各論として述べる形が多いです。
前半部分を「◯✕流」「△□方式」など独自の視点・切り口で確かに上手に書いています。しかしながら、その意見の確からしさを示す例は多くの場合、「我が家の長男の場合」「次女の場合」「知り合いの子供の場合」という非常に少数の例のみです。

前半の話がいくらマッキンゼーだの脳科学だのといった手法でそれらしく上手に書かれても、その論拠が著者の子どもが論拠がである内容に、ボクは説得力を感じることは出来ません。

「佐々木正美子の育て百科」が他の類書と一線を画す理由


holding hands. / amberdc

簡単に言うとこれらの本は成功者がそのサクセスストーリーを述べたものです。

でもボクたちは日常の中で、もっと卑近な、人に言えないようなことを悩んでいるからこそ苦しんでいるはずです。

ボクらの悩みは成功譚をいくら読んでも解決しません。

だからこそ、長年教育に携わって、数多くの保護者や子どもたちを実際に見て現場の肌感覚を持つ佐々木正美氏の言葉は腹に落ちます

それだけ、佐々木正美氏の言葉は非常に思いやりに溢れ、心に響きます

この記事では「佐々木正美子の育て百科」をお勧めしましたが、著者の佐々木正美氏は、たくさん執筆されています。

「佐々木正美子の育て百科」は網羅的な内容である分、若干長めとも言えますが細かく章が別れており読み易いとも思いますが、文庫本も多数出版されています。

またボクは未読ですが、発達障害の専門家でもあるようで自閉症やアスペルガー症候群といった専門的な著作もあるようです。

内容が少し重複する部分もあり、全てを読む必要はありません。ご自身であったものを1冊でも2冊でも、あるいはボクのようにたった一文を読むことでもきっと「蒙が啓ける」体験や、何かしらその言葉に癒やされることと思います。

【佐々木正美の子育て百科 ~入園・入学の前に、親がしておきたいこと~】

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このようにテーマを絞った書籍もありますし、たくさんありますので実際にお手にとってみて下さい。アマゾンで探したい方は下にリンクを張っておきます。

最後に

我が家で起こったことは恐らく多かれ少なかれどの家庭でも起きていることだと思います。

また間違いなく育児については人に言えないことも含め、皆さん様々な悩みを抱えておられると思います。

そんな方に、みんな同じように悩んでいることを教え、孤独や悩みが少しでも軽減されることを祈っています。

ボクは他の記事で、科学的な見地から書かれた書物を好み、紹介した経緯が多いですが、教育というなかなかデータ化しにくいものでは、幾多の子どもや保護者を見聞きしてきた教育者という目を通して語られる考えは傾聴に値するものと考えています。

他にも実際にボクが読んで、「読んで良かった!」と心から提案出来る本を紹介します。
参考になれば幸いです。

 

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全てを手放しで称賛するのみではなく、非常に有名な書籍ですが、個人的な見解として批判的に紹介したものもあります。

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