こんにちは「とある医師」です。
空気清浄機を買おう!と思い立ち、家電量販店に勇んで行ったり、ネットを調べても
- 種類が多すぎて。。。
- 用語が多すぎて。。。
- 加湿機能付きの機種が多いけど、割安だし加湿機能って必要?
そして混乱して、結局、
- 空気清浄機は買いたいのに「よくわからない」から挫折・・・
こんな方も多いのではないでしょうか?
赤ちゃんのくしゃみをきっかけに空気清浄機を買おうと決意したボクも当初この壁にぶつかりました。
でも、基本を押さえれば実は空気清浄機選びは難しくありません。
この記事では空気清浄機を選ぶのに必要な用語の定義や考え方をまとめています。
- 空気清浄機でおすすめ機種はどれ?
- 空気清浄機の選び方は?
こんな疑問については、ボクが空気清浄機選び悩み、最終的に至高と思える空気清浄機に出会うまでについても記事がありますので参考にしてみて下さい。
この記事では以下のような内容でまとめています。
空気清浄機を選びに重要な用語
今回取り上げる用語は
- 適用床面積
- CADR
- (8畳あたりの)清浄時間
- 推奨フロア面積
この4つです。
この4つの中で順序をつけるとすると最低限理解する必要があるのが、適用床面積です。
極端な話、適用床面積のみ正しく理解しておけば空気清浄機を選ぶことは出来るでしょう。
結論先に教えてという方は、この1点だけご理解下さい。
- 部屋の2倍から3倍の「適用床面積」の空気清浄機を選ぶのが正解
残る3つは補足的なもので、用語を理解すると、よりご自分にあった空気清浄機選びの助けになるでしょう。
また下に詳しく述べますが、4つの用語のうち
- 適用床面積と(8畳あたりの)洗浄時間
- 推奨フロア面積とCADR
このペアががそれぞれ補完的な用語となっています。
では、見ていきましょう。
空気清浄機の適用床面積と清浄時間を「正しく」理解する
空気清浄機とは、目に見えにくいホコリや花粉などを吸い込むもので、なかなか感覚的に能力を理解し難いものです。
空気清浄機の適用床面積とは?
そんな空気清浄機の能力を測る指標はいくつかあり、うち一つが「適用床面積」です。
一般社団法人日本電気工業会(JEMA)という機構が規定する、JEM1467と呼ばれる家庭用空気清浄機に関する性能測定基準が国内の基準として設けられ、
それによれば『適用床面積』とはJEM1467で評価した、
- (規定の粉塵濃度の汚れを)30分で清浄できるお部屋の広さ
とされています。
細かなことを追加すれば『規定の粉塵濃度』とは、
- 「タバコ5本分の煙に含まれている粒子成分とガス成分」を1日分の空気の汚れ
と想定しています。
タバコ5本?と言われてもピンときませんが、これは実態よりも厳格な基準とされているようです(同JEMAページ)。
また「清浄」とは汚染物質を88%除去することとされています。
さらになぜ「30分」かと言うと、これは過去の法律で30分に1度は換気をしなさいと決められたからなんだとか。
適用床面積を正しく理解する
適用床面積という言葉が混乱の元になるのは、
- 適用床面積=「使用する部屋に適切な床面積」
こんな感覚を抱かせるからだと思います。
上記規定から考えると、
- 「30分に1度の換気」は最低限であって、十分量ではない
- 適用床面積とは最大使用面積として理解する
こう考える方が良いでしょう。
実際の使用上は、10分から15分で一度部屋の空気を循環させるべく、概ね適用床面積の1/2から1/3が適切な使用環境と言えるようです。
具体例を出すと例えば、適用床面積が36畳の空気清浄機を12畳から18畳の部屋で使用するのが望ましいという意味です。
適用床面積にオーバースペックという発想はない
つまり、適用床面積36畳の空気清浄機を12から18畳の部屋で使用することが最も相応しいという意味ではありません。
よりキレイな空気を沢山循環させるために12畳以下の部屋で使用しても十分恩恵を受けることが出来ます。
ただそれだけハイスペックになりますと空気清浄機本体の大きさ、動作音などにも十分気を付ける必要はあり、あくまで適用床面積の数字という意味合いにおいてであることはご理解下さい。
空気清浄機の清浄時間とは
対して、同じくJEM1467によれば空気清浄機の清浄時間とは、
- 8畳相当のお部屋で規定の粉塵濃度の汚れが基準値以下になるまでの時間
を表しています。
例えば、「清浄時間が10分」とは8畳の部屋の空気を基準以下にまで清浄するのに10分掛かるという意味です。
従って、数値が小さければ小さいほど、空気清浄機としての性能が優れています。
適用床面積とは違い、規定された8畳という部屋をいかに早くキレイに出来るか、という意味ですので直感的に分かりやすいですよね。
因みになぜ「8畳」かと言うと、JEM1467での各種測定環境が8畳相当の部屋だからのようです。
規定された汚れをいかに早くキレイにするか、という分かりやすい指標であり、後に述べるCADRに近い発想です。
適用床面積と清浄時間の関係 清浄時間は不要?
両者の関係は、適用床面積が大きくなればなるほど清浄時間は短くなります。
定義を理解すればここまでは簡単ですが、もう少し説明を加えます。
上で清浄時間は直感的に分かりやすいと書きました。では
- 誤解を招きやすい適用床面積を廃止して、清浄時間で比較すれば良いのでは?
という疑問が湧きませんか?
清浄時間は実は使いにくい
清浄時間8分と10分の空気清浄機を比較して、8分の機種の方が性能が勝ることは理解出来ると思います。
しかし、清浄時間8分と10分の空気清浄機がどの程度性能に違いがあるのか?についてはなかなか直感で理解し難い面もあります。
例えば、ブルーエアのラインナップに清浄時間がそれぞれ8分、9分、11分の機種がありますが、その適用床面積はそれぞれ39畳、33畳、25畳です(機種は順番にBlue Pure 231 Particle + Carbon、Classic 480i/405、Classic 280i/205)。
清浄時間の差はわずかでも、適用床面積には大きな差がありますよね。
逆数的な関係なので、本来ならどちらか1つでも事足りるはずですが、適用床面積という、従来からある日本固有の評価基準がメーカー的には浸透しているけれど、ユーザー目線からは理解し辛いということと、次に紹介するCADRを意識して補完的に生まれた基準ではないかと予想します。
しかし、清浄時間は、機種ごとの比較に使用しにくい(*)ので、やはり昔ながらの適用床面積の概念をしっかり理解すれば事足りるとボクは思います。
(*;清浄時間は◯分までの記載のみで、◯秒までの記載はありません。
例えば同じ清浄時間が10分でも、厳密には9分31秒から10分29分までの幅があるかも知れません。
また上述したように清浄時間が数分違うと、能力としてもかなり違うはずです。
このようにいろいろな意味で幅がある概念なので、細かい比較には不向きで、直感的な把握に用いるのが良いのではないでしょうか)
空気清浄機のCADRと推奨フロア面積を正しく理解する
適用床面積という日本固有の規格に対して国外、主に米国などで用いられる指標にCADRがあります。
そしてCADRから派生した概念が推奨フロア面積です。
これらの概念を考え出した米国家電協会(AHAM)から、若干長めですが引用します。
- CADR(クリーンエア供給率)とは、Clean Air Delivery Rateの略で、米国家電協会(AHAM)が定めた、 空気清浄機が1分間あたりに供給する清浄な空気の量を表した指標です。
- CADRは消費者が空気清浄機を選ぶ際の重要な基準です。
- CADR値が高ければ高いほど、空気清浄機がお部屋の空気を浄化するスピードが速いことを表しており、数値およびCADR値から算出される推奨フロア面積はAHAMにより発行される評価証明書に記載されています。
- CARDは、お部屋に最も適した空気清浄機を見つけるための“システム”です。
現時点でボクが検索した限りにおいては、日本で推奨フロア面積という概念を用いているのはブルーエアのみのようですので、ブルーエアHPからも引用します。
ブルーエアの提案する『推奨フロア面積』とは?
- ブルーエアは日本規格に基づいた「適用床面積」とともに、CADR値より算出された空間サイズに基づき、その空間の空気を1時間に5回清浄できる広さを『推奨フロア面積』として提案しています。
- これは日本の規格よりも、実空間での使用に配慮した厳密な考え方。
つまり、これらはこうまとめられます。
- CADRはいかにキレイな空気を供給出来るかという、ストレートな指標
- 推奨フロア面積とは、CADRから計算した、1時間に5回清浄出来る広さを示す
CADRと推奨フロア面積の使い方
CADRは理論的最高値を450(煙、花粉。ホコリは400)として数字化されており、機種ごとの細かな比較も可能です。
推奨フロア面積はAHAMが考える実使用上に適した面積であり、1/2から1/3に換算する必要のある適用床面積よりは実際的ですね。
非常に合理的な指標だということがわかります。
適用床面積とCADR、推奨フロア面積の比較
ここまで読んでも、一つ一つは理解出来ても横断的に理解するにはもう少し、という方も多いと思います。
それは基準となる数字がバラバラだからだと思います。
基準となる数字が適用床面積(日本)は30分に1回、CADR・推奨フロア面積は1時間に5回という絶妙な誤差が原因でしょうか。これらを揃えてみると、
- 適用床面積(日本)=30分に1度、キレイに出来る広さ
- 推奨フロア面積(米国)=12分に1度、キレイに出来る広さ
となります。推奨フロア面積の方が実践的ですね。
しかし、推奨フロア面積はCADRからの計算ですので、当然CADRを取得する必要があります。
国内に目を向けやすい日本メーカーがわざわざCADRを取得するハードルは高く、今後も適用床面積がメインであることは間違いありません。
(国内メーカーでもハイエンドモデルは、CADRを取得していることがあります)
また繰り返しますが、適用床面積はその定義から最大使用面積的な指標で、単純に1/2〜1/3とすれば良いだけで、難しい計算は不要ですので恐るに足りません。
CADRと適用床面積の関係
適用床面積は上に書いてきたように最大使用面積的な指標です。
対してCADRは絶対値で、CADRの値が2倍違うのなら、性能差が2倍あるという指標です。
客観的な比較が出来ますので、CADRが得られるのであれば参考にすれば良いと思います。
空気清浄機の適用床面積やCADRとは?空気清浄機を選ぶために必須用語を整理 まとめ
空気清浄機にまつわる用語をボクなりに整理してみました。
- 適応床面積と清浄時間、推奨フロア面積とCADRがペア
- 適応床面積とは、最大使用面積的な指標。使用する部屋の2から3倍の適用床面積が望ましい
- 清浄時間とは、空気清浄機の能力の指標。低ければ低いほど優れる。但し細かな比較には不向き
- CADRとは、空気清浄機の能力を示す客観的な数字。細かな比較に有用
- 推奨フロア面積とは、CADRから計算される、実使用上の望ましい部屋のサイズ
この記事が、用語が難しいせいで空気清浄機を選ぶのに難渋している方にとって参考になれば幸いです。
下記には、Amazonサイト内での「適用床面積」ごとの空気清浄機を案内しています。
レビューの高い順に見ることも出来ますので参考にしてみて下さい。
個人的にはフィルター交換式のブルーエアがベスト・バイだと考えていますが、ランキングを見てみますとシャープが長らくランキング上位を占めています。
サイズ展開が広く、レビューも好意的な口コミが多いですね。
ランキングで注意すべきは、ステマの可能性を忘れないことです。
ランキングの比較的上位に、聞き慣れないメーカーなのにレビュー数が多く、かつ妙に高い評価が多いものも散見されます。
しかしレビューの内容が浅いものが多く、レビュアーの他のコメントを見てもステマ間違いなしと思います。具体名は挙げませんがご注意下さい。
空気清浄機という効果の実感し難い家電製品だからこそ、安心を買う意味もあり、メーカーを信頼するか、CADRなど客観的な数字を持つものから選ぶことをお勧め致します。