こんにちは「とある医師」です。
赤ちゃんや子どものいる家庭で、冬になれば必ずぶつかる問題として
- 暖房をどうしよう?
- 加湿器をどうしよう?
と悩んでおられませんか?
特に暖房については、赤ちゃんや子どもが接触して危険な石油ヒーターやファンヒーターは使用し難いですよね。そうするとこんな風に考えます。
- 暖房はオイルヒーター、パネルヒーターが良いの?でも高くて。。。
- 加湿器も必要だよね。危険とも聞くけど。。。
この記事では、赤ちゃんがいる家庭での冬場の加湿について、特に扱いを間違うと大変危険で「カビ散布マシーン」と化す加湿器について書いています。
この記事の結論をまずご紹介します。
- 手入れしない加湿器は「カビ散布マシーン」
- 比較的小さな部屋なら暖房はエアコン、加湿は濡れタオルで十分対応出来る
- 濡れタオルで対応困難⇢加湿器を検討
- 加湿器なら手入れが楽なスチーム加湿器がベスト
- 加湿のポイントは湿度計にあり
エアコンと濡れタオル?と拍子抜けかも知れませんが、案外十分に有効な組み合わせです。
そして湿度計が重要なことは強調しておきます。
極端な話、加湿の方法は何でも良いと思いますが、湿度計は1,000から1,500円程度で購入出来ます割に後述するようにめちゃくちゃ有意義なので、部屋の加湿に興味がある方はぜひ湿度計だけでもおすすめします。
(先に湿度計について知りたい方はここから飛びます)
記事最後にAmazonや楽天市場など各ECのランキングページを紹介しています。
赤ちゃん子どもに加湿が必須である理由
「冬場になぜ加湿が重要か知っていますか?」
こう質問され、即答出来る方は案外少ないのではないでしょうか。
恥ずかしながらボク自身あまり深く考えたことがなく、調べて初めてわかったこともありました。
理由を知って「なるほど」と加湿について真剣に取り組むきっかけになりましたので、披露しますね。
赤ちゃんや子どもに加湿が必要な理由を細かく記せば成書が書けそうですので、簡単に以下の3点を挙げておきます。
- インフルエンザ含め感染対策に有効
- 体感温度の上昇と、暖房効率の改善
- お肌へのケアにも、鼻呼吸にも湿度は大いに関係
加湿はインフルエンザ含め感染対策に有効
詳細は省きますが、感染対策には適切な湿度が非常に有効であるということは間違いないようです。
そして諸説ありますが、40%あるいは50〜60%程度の湿度が最適のようです。
いろいろな方が意見を述べておられます)
湿度と体感温度の関係と暖房効率
体感温度が上がると言われてもピンと来ませんよね?
ボクは湿度について勉強するまで体感温度のことなど全く考えたことは有りませんでした。
でもこの体感温度、とても重要です。
そして体感温度には、湿度が大きく影響しています。
ただ難しく考える必要はありません。普段経験していることを思い起こせば大丈夫です。
湿度が上がると体感温度も上がる
例えばサウナ。
サウナがとかく暑く感じるのは、温度以上に湿度が90%とか非常に高いからです。
また日本の冬は、気温だけで言えばもっと気温の低い他国に比べて「実際の気温以上に寒い」と言われます。
日本の冬でこんなに寒いのに、氷点下何十度という世界で本当にヒトは生きていけるのだろうか?なんて考えたことはありませんか?
対して夏。例えばハワイなどに比べ日本の夏は特別暑く感じると言われます。
この時言われるのが「ジメジメして暑い」。
そう、同じ温度でも湿度によって体感温度が変わってくるということです。
湿度が上がれば体感温度も上がり、湿度が下がれば体感温度も下がります。
湿度を上げると暖房効率も改善
そもそも夏場、エアコンの除湿機能を普段から利用されていると思います。
除湿するだけでもある程度なら涼しく感じますよね。
除湿機能はエアコンの機能の1つとして生活に溶け込んでいますが、理屈で言えば湿度を下げて体感温度を下げる機能です。
その逆転の発想で、冬場に湿度を上げると同じ湿度でも体感温度が上がるということです。
つまり湿度を上げることで温度を上げなくとも暖かく感じる=暖房効率が改善するという理屈です。
湿度は美容ももちろん、鼻呼吸にも重要
お肌に乾燥は大敵です。特にママさんはよくよくご存知でしょう。
赤ちゃんや子どもは皮膚のみならず、鼻粘膜や口・咽頭粘膜も大人に比べて非常にデリケートです。
また空気が乾燥していると鼻水が固まって取れにくく、鼻呼吸の妨げになります。
お部屋が乾燥してただでさえのどがイガイガするのに、鼻呼吸が出来ず口呼吸のみになればなおさら助長されます。
赤ちゃんや子どもは実は呼吸の多くを鼻呼吸で占めています。そんな鼻呼吸が、部屋の感想のせいで妨げられると子どもにとっては一大事です。
赤ちゃんや子どもの周囲環境は、大人が整えてあげるということが大切です。
加湿器を辞めた絶対的な理由 -「カビ散布マシーン」の恐怖-
Photo:Water Drops Collection (unveiled) By Yogendra174
さて、加湿が重要であることは分かりました。次にその方法について考えていきます。
この章からは、悩みに悩んで、【我が家では、という条件付き】ですが加湿器は危険と判断した理由と、濡れタオルでの加湿方法を紹介します。
そして次章で最終的にスチーム式加湿器を買うに至った経緯をまとめたいと思います。
加湿器は手入れが必要不可欠
それぞれにメリット・デメリットがありますし、ネット上には詳しく解説されている方もいらっしゃいますね。
でも多くの記事では価格や加湿能力でこの商品がオススメ!と一応方式ごとに何台かが紹介されていますが、ボクはそれだと片手落ちだと感じました。
強調しますが加湿器は手入れについて知らずに購入すると、購入後に必ず後悔することになります。
この辺りは空気清浄機を考えるときに、加湿機能が必要か悩んだことも役に立っています。この時、加湿器もフィルターのメンテナンスが非常に大切ということも学びました。
そして空気清浄機については加湿機能を付けず、また空気清浄機のメンテナンスにも手間をかけずに済む、フィルター交換式がベスト・バイだと結論付けました。
空気清浄機と同様、加湿器もその種類に関わらず、手入れが非常に重要です。
なぜなら手入れを怠った加湿器、それは「カビ散布マシーン」と言っても過言ではないからです。
加湿器が危険な理由。それでも「カビ散布マシーン」を使いますか?
Danger / National Library of Ireland on The Commons
「カビ散布マシーン」とは衝撃的な名前ですが、これはボクが思いつきで付けたものです。
ただ、字面を読めば直感的に意味することは伝わりますよね。
手入れを怠った加湿器の中には、自ずとカビが生えやすいです。
加湿器を買う前に手入れについて知らないと後悔する理由
- 目に視えない蒸気にカビが含まれているなんて、想像もしていなかった、、、
- 購入時点で加湿器に手入れが必要ということを知らなければ、購入後の手入れも疎かになり、カビを撒き散らす可能性がある!
購入前に手入れについてしっかり把握しておかないと後悔する、とボクが考える理由です。
「加湿器」という専用器械だから大丈夫ではないの?
それでも、有名なメーカーがこぞって「加湿器」と専用器を販売していますし、
- 普通に使っていれば大丈夫じゃないの?
- 上手いことメーカーが解決してくれているはず、、、
という期待もあるのかも知れません。実際ボクもそうでした。
でも残念ながら、この問題は全く解決していないようです。
論より証拠。気になる方は「加湿器 カビ」で画像検索してみて下さい。モザイクなしでは見られない衝撃映像が複数見つかることでしょう。
また医学的にも「加湿器病」という非常に重篤な疾患名もあるようです。
(但し「適正」に手入れを行えば、加湿器は全く以って素晴らしい製品であることは強調しておきます。あくまで手入れを怠った場合、という意味合いです)
【加湿器肺について追記】
2020年末、"加湿器肺"という言葉が話題になりました。そこで医師として医学論文を基に加湿器肺を解説してみました。
メンテナンスで加湿器肺は回避出来るのか?○✕クラスター、△□イオンがあれば安心か?なども含め解説しています。ぜひご覧下さい。
加湿器を「適切に」「持続的に」手入れ出来るか
手入れをしない加湿器が危険なのはわかるけど、逆にきちんと手入れをすれば問題ない、とも言えます。
これについては全面的に賛成です。全く異論はありません。
ただボクは「きちんとした手入れ」を「継続する」自信がどうしても持てませんでした。
メーカーのホームページには効果効能や、謳い文句は非常に目立つ方法で記載されています。
しかしながら手入れ方法について非常にシンプルに記載されている場合がほとんどです。
例えば気化式やハイブリッド式だと概ね、ある一定の期間ごとに容器やフィルターを「完全に乾かして」使用すると言った内容が「さらっと」書かれています。でも正直、ボクは
- 1週間に1度、いや例えば1月に1度だとしてもフィルターを完全に乾かし続けるほど加湿器に意識を向け続ける自信はない、、、
間違いなく、
- 「次に時間がある時に掃除しよう」と間延びになったり、
- あれだけ心配してたけど「実際あんまりお手入れしなくても何とかなってるし、、、」
と長期間掃除をせずに加湿器を稼働させていた、、、なんてことが簡単に想像出来ます。
その結果カビ散布マシーンと化した加湿器が蒸気とともにカビや病原菌を部屋中に撒き散らすことが現実に起こるわけです。
スチーム式加湿器だと手間はぐっと減る
手間を怠ると凶器になることがわかったことため、逆に出来るだけ手間が掛からないことを最重要項目として考えると、安くてデザイン性もあって、静かなど魅力もいっぱいのハイブリッド式も候補から外れ、スチーム式(あるいは加熱式とも)加湿器が残りました。
スチーム式加湿器とは水を沸騰させ、その蒸気で部屋を加湿するというシンプルな加湿器です。
今ではスチーム式加湿器を購入し、買ってよかったと感じていますが、まずは次に紹介する濡れタオル作戦で十分応戦出来たため、濡れタオル作戦を採用しました。
濡れタオルで赤ちゃんや子ども部屋を加湿する
Photo:Extra Curricular Magazine - Tea Towels By Spin Spin
加湿の重要性と加湿器の手入れの重要性を十分理解出来たおかげで、逆に濡れタオル活用方法を知ったことはラッキーでした。
加湿器以外の加湿方法 濡れタオルを活用する
そもそも加湿器について調べる中に、加湿器不要論として濡れタオルで十分だという意見を目にしたのがきっかけです。
濡れタオルの加湿能力に疑問を感じる方は、大層な労力を用いて詳しく計算された方がおられるので「濡れタオル 加湿 十分」などで検索してみて下さい。
実践して気がついたことも含めると、濡れタオルには実は多くのメリットがありました。
- ちょっとした心がけで持続可能
- 手入れを怠っても部屋が加湿されない以外に弊害がない
- 全くコストも掛からない
- 新規に加湿器を購入せずに済む=物が増えない
- 遊びたい盛りの赤ちゃんが加湿器を触るのを無闇に止めずに済む
心理的には最後の2つも大きなメリットと感じていましたし、良いこと尽くめなんですね。
濡れタオルの欠点
メリットが多い濡れタオルですが、いくつかデメリットもあります。
- 見栄えが悪い
- 加湿量が不安定
- 加湿量に限界
まず見栄えは非常に悪いです。些細なことですがこれは覆すことの出来ない欠点ですね。
そして最大の欠点はやはり加湿量が安定しないこと、加湿量に限界があることです。
濡れタオルの欠点を補うのにエアコンが最適
濡れタオルを使った加湿の欠点のうち、加湿が不安定なことについては
- エアコンと併用する
- 湿度計を用いる
こうした対応で解決します。
試して頂ければわかりますが、ただタオルを吊るすだけだと、1枚でもなかなか水分が蒸発せず、夜吊るしたタオルが朝になっても半乾きのまま。そのくせ部屋は乾燥している、という結果になると思います。
冬に部屋干しした洗濯物が半乾きのまま朝を迎えたことは、どなたも経験があるのではないでしょうか。
ボクも最初は実感がわかないし、やっぱり濡れタオルじゃダメか、と懐疑的でした。
ちょうどその頃、暖房についてもボクは悩んでいました。
途中経過は我が家でオイルヒーターをやめた理由をまとめた記事に記したので省きますが、ボクは我が家の暖房についてはエアコンが最適という結論に至りました。
エアコンと濡れタオルでデメリットを相殺
エアコンの一番のデメリットは、部屋が乾燥することです。
でもエアコンと濡れタオルを一緒に使うことでお互いのデメリットを打ち消してくれるんですね。
要するに、エアコンは温風を出すわけですから、エアコンの温風を濡れタオルに当てれば、原理的には暖かく湿った空気を部屋に提供出来るという効果が期待出来ます。
そして思いついた瞬間、直ぐに実践してみました。
すると、半日かけても乾かなかった濡れタオルがものの1、2時間程度でカピカピになるではありませんか。
間違いなく、その分部屋に加湿されたということになります。
エアコン&濡れタオルで万事解決と思いきや
しばらく濡れタオル生活を送った結果、暖かいし、のどのイガイガも柔らかくなったとボクは満足していました。
でも家事育児で忙しい妻が一人だと、気がつけばカピカピのタオルがぶら下がる時間が多く、部屋が乾燥する場面が多くあることに気が付きました。
よくよく聞くと忙しい中で頻回に濡れタオルを交換するモチベーションにつながらない、というのが原因のようです。
いろいろ考えた結果、そもそも湿度がわからなければ話にならないことに気が付き、湿度計という存在に思い至ったわけです。
部屋の加湿には湿度計は最高のお供
たまたま長時間外出後のしばらく濡れタオルも利用していないタイミングで湿時計を試したところ、35%程度と非常に低い数字でした。
その低さにもびっくりしましたが、そしてそこからエアコンに濡れタオルを吊るしてしばらく湿時計を観察していくと・・・
湿度が目に見える形で上昇していくことが確認出来たわけです。
湿度計を導入するメリット
しばらく湿度計を使って、いろいろなメリットがあることがわかりました。
- 客観的に指標にしやすい
- 実感しやすい
- ゲーム感覚で向き合える
なかなか湿度というものは体感出来ず、持続的に取り組むことが困難でしたが、湿度計で視覚化出来ますので、下がっていると気になりますし、タオルを交換してみるみる上がるのをゲーム感覚で楽しむ事もできます。
濡れタオルの恩恵をわかっていても腰が重かった我が家の奥さんも、湿度計の数字が下がっていると「何か負けた気がする」と面白がって積極的にタオル交換に取り組んでくれるようになりました。
また湿度計にはたいてい温度計も備わっていますので、同じ温度なのに湿度が上がると体感温度が上がることも数値と一緒に体感出来るため、湿度の有り難さがよくわかり、より加湿へ意識が向くという好循環にも繋がります。
濡れタオルでの加湿の実践
タオルはどんなタオルでも良いと思いますが、ボクはハンドタオルを2枚ずつ使用しています。
試して頂くとわかりますが、タオルはある程度絞っておかないとポタポタ床に雫がたれてしまいます。
そしてバスタオルだと絞るのが大変な上に、どうしても雫が垂れてしまいます。
その点ハンドタオルだと女性でも十分絞れますし、交換の手間が楽です。
またエアコンに吊るすにしても重量があると器械に負担になるとも思いました。
こうして我が家はハンドタオル2枚ずつを吊るしていました。
だいたいエアコンを稼働して2時間くらいは保ち、湿度計を見て気がついた時に交換することで概ね40-60%程度はコンスタントに維持出来ていました。
濡れタオルからスチーム式加湿器を購入したこと
エアコンと濡れタオルに湿度計を使うことで、ゲーム感覚で部屋の湿度をある程度保持出来ていた我が家ですが、次子出産をきっかけにスチーム加湿器を導入しました。
簡単な経緯で書くと主に過ごすリビング・ダイニングが少し広くなったおかげでエアコンの能力が上がり、濡れタオルでは対応出来ない状態になってしまったためです。
濡れタオルの欠点として挙げた加湿量の限界という点です。
スチーム式加湿器については導入までの経緯から、実際にスチーム加湿器を買ってどうだったか?特に心配していたお手入れがどうだったか?については別記事にまとめましたので、ぜひご覧下さい。
さて長くなりましたが、赤ちゃんがいる家庭での加湿について、その意義から加湿器のリスク、エアコンと濡れタオル、湿度計を用いた簡単な加湿方法と、スチーム式加湿器に至るまでまとめてきました。
加湿の方法についてはどういった手段でも大丈夫だと思いますが、湿度計は非常に有益かつ、大変安く買えますので、ぜひご存じなかった方は検討してみて下さい。
大切な赤ちゃんにとって最適な環境を準備するお手伝いが出来れば幸いです。
⇓最近の湿度計は安くて有能のものが多いので、デザインなどで選ばれても大丈夫だと思います。
いろいろデザインもありますのでAmazonや楽天市場でのランキングも参考にお気に入りを選んでみて下さい。
