Christmas Travels 2010 / elchupacabra
こんにちは「とある医師」です。
赤ちゃんや子どもがいる家庭で冬を迎えると
- 暖房と加湿器具どうしよう。。。
- 今年こそ買おうかな、、、
と、頭を悩ませますよね。
以前ボクは、赤ちゃんと暖房と加湿のお話。それでも「カビ散布マシーン」を使いますか?という記事で、加湿の重要性と、逆に手入れを怠った加湿器の危険性、そして家庭でできる簡単な加湿方法についてまとめました。
結論として、我が家では【リビング】の暖房器具としてエアコンに決めました。
この記事では僕がこんな結論にたどり着くまでの
- 子どもがいる家庭で有力候補のオイルヒーターやパネルヒーターを敢えて辞めて、エアコンに決めた理由
- 床暖房やホットカーペットについての考察
といった内容を書いています。
追記
この記事を書いて数年後経った現在も、リビングではこの記事通りエアコンをフル活用しています。
一方で【リビング】にスチーム式加湿器を、【寝室】にオイルヒーターを導入し、とても満足しています。
- リビングでは却下したオイルヒーターをなぜ赤ちゃん子どもがいる寝室にこそ最適と考えたか?
- 【リビング】にスチーム式加湿器を買った理由
- オイルヒーターやスチーム式加湿器は実際買ってどうだったか?
などは別記事にまとめました。興味ある方はご覧になって下さい。
この記事では以下の内容をまとめています。
赤ちゃん子どもに床暖房、ホットカーペットはアリか?
Photo:Comfortable pink slippers and my Rosie napping on the Persian rug, Seattle, Washington, USA By Wonderlane
赤ちゃんや子どもがいると、一般的にはストーブ・ファンヒーターなどは使いづらいですよね。
そのため赤ちゃんや子どもがいる家庭での暖房器具としてオイルヒーター、パネルヒーター、エアコンや、床暖房、ホットカーペットなど敷設タイプを考える方も多いと思います。
これら暖房器具について、まずは床暖房、ホットカーペットから考えていきます。
床暖房やホットカーペットの低温やけど、電気代、暖房効率について考える
正直、ボクは床暖房、ホットカーペットはアリだと考えています。
我が家では理由があって使用していませんが、暖房器具としては有効な選択肢の1つだと感じます。
- 低温やけど
- 電気代
- 暖房効率
- 嵩張る&アレルゲン
よく挙げられる4つのキーワードから床暖房、ホットカーペットについて考えます。
床暖房、ホットカーペットの低温やけどリスク
インターネット上のサイトやブログなどで床暖房、ホットカーペットをおすすめしない理由として、低温やけどの危険性がよく挙げられます。
構造上、「直接」肌に長時間接していれば低温やけどは起こりうると思います。
しかし家庭で使用する上で、ボク自身は懐疑的です。
子どもが寝ていても、熱ければ寝返りを打つでしょう。
でも赤ちゃんは自分で上手に寝返り出来ないから危ないのでは?という疑問については仰る通り。
しかし赤ちゃんや子どもを「直接」ホットカーペットの上に長時間寝かせる親が果たしているのでしょうか??
- 適切な使用方法であれば、ホットカーペットや床暖房は十分安全な暖房器具
私見ですがボクはこう思います。
(寝たきりの方や重症糖尿病の方にとってこれらが問題になりうるのは、全く別の話です。
寝たきりの方で問題になるのは、提供側=健常者が、相手が大人であるためついつい熱ければ身体を動かすだろう、と自分と同じ尺度で判断して使用してしまい、寝たきりなので自分の体を動かせない相手方が低温やけどを発症するという状況です。
また重症糖尿病の方は糖尿病性の末梢神経障害(つまり知覚低下)を来しており、熱いと自覚が出来ないため、気がついた時には長時間接しており、重度の低温やけどを来してしまうというものです)
床暖房、ホットカーペットの電気代
これについては商品ごとの規格や対応畳数が違いますので、十把一からげで説明出来ません。
少なくとも安価ではないですが、現実的でないというほど電気代がかかる、ということはないはずです。
ネットでは電気代を計算している方もおられますが、多くの暖房器具のなかでかなりホットカーペットは安い部類に入りそうです。
費用対効果については、次の暖房効率と合わせて考えていきたいと思います。
床暖房、ホットカーペットの暖房効率
そもそも床暖房とホットカーペットは単体としては、暖房効率は低いです。
極端な話、床暖房やホットカーペットを単体でいくら使用しても、室温は上がりません。
(余談ですが、冬季に短期間単身赴任をしていた際に、出向先で暖房器具が単身用ファンヒーターしかなく、同僚にまさにホットカーペットを借りた経験があります。しかしホットカーペットでは全く寒さが癒えず、ホットカーペットに全身で張り付いて暖をとっていたという悲しい経験がボクにはあります。。。)
ホットカーペットや床暖房が寒い理由。
それは熱を空気に伝えるほどの熱量を放出していないからです。
(逆に室温を上げるほど熱量を放出しているとなれば、やけどの危険性もぐっと上がりますよね。)
床暖房やホットカーペットは、他の暖房器具と併用することで体感温度をぐっと快適にすることが出来て、トータルでの電気代節約などには繋がると思います。
つまり暖房器具の中では補助的な位置づけになるというのがボクの考えです。
使わない時期には大荷物に
補助的には有用と考えながらボクが床暖房やホットカーペットを採用しなかった理由は、部屋全体を温めたかったのと、大きなものですので使用しない時期の収納に困るためです。収納は大きな問題ですね。
アレルゲンとしてのリスク
ホットカーペットについてはアレルゲンとなりうることもリスクです。
ホコリが堆積しやすく、また寝転ぶことが多いことからホコリに暴露しやすいという観点は知っておいて損はないでしょう。
ビルトインタイプは別物
一応補足ですが、分譲マンションや注文住宅などでのビルトインタイプの床暖房は完全に別ものです。
これらの住宅は非常に気密性が高く、そもそも部屋の温度は一定に保たれますし、住宅の床全体に床暖房システムが行き届いている場合には、相対的にかなりの省エネで床暖房の恩恵を全面的に受けられますので、床暖房はまさに至極の快適さを提供してくれます。
床暖房とホットカーペットの結論
- 補助的に使用すれば、非常に有用
オフシーズンに邪魔なので我が家では見送ったという経緯です。
赤ちゃん子どもとオイルヒーター、パネルヒーター
Photo:Halogen heater and two cats 03f.jpg By midorisyu
次にオイルヒーター、パネルヒーターについてまとめます。
実は昨年から、来年になったらコレを買う!とオイルヒーターのとある商品に目をつけていました。
ただ、実際購入段階でいろいろ疑問点が生まれパネルヒーターも含めて調べて断念、最終的には非常に安直なエアコンに辿り付きました。
その理由を今から挙げていこうと思います。
オイルヒーターやパネルヒーターの特徴とは
まずオイルヒーターとパネルヒーターは全くの別ものです。
仕組みは他の方のブログなりを参考にして頂いて、製品としての特徴は、
- 赤ちゃんや子どもがいる家庭でも利用可能とされている
- 熱効率が比較的低い= 消費電力が極めて高い
- 本体が比較的高価
オイルヒーターやパネルヒーターの共通する長所
石油ヒーターやファンヒーターと違って直接触っても、やけどしにくいというのは大きな特徴ですね。
あくまであまり熱くない、と謳っているだけであり、熱を放射して暖をとるという構造上、全く熱くないというわけではありません。
しかし口コミでも、危険で使えなかったなどの声はあまり聞きませんので、保護者の監視下で適正に利用されている限り安全と思われます。
また昨今は石油ヒーターも開発が進んで問題になる機会は減っているのでしょうが、一酸化窒素や空気汚染、石油の匂いなどの問題とも無縁というのは大きな利点です。
以前は電源を入れてから暖かさを自覚するまでにタイムラグがかかると、欠点として強く挙げられていた部分も、昨年辺りから新製品が出て、比較的タイムラグがなくなって来ています。
さらに、空気を乾燥させることが少ないことも大きなメリットだと思います。
オイルヒーターとパネルヒーターは、
- 赤ちゃんがいても安全で、空気も汚さず乾燥もさせず、比較的すぐに暖かくなる
魅力的ですね。次にオイルヒーターとパネルヒーターのデメリットを見ていきます。
オイルヒーターやパネルヒーターの共通する短所
上に挙げた、熱効率が悪い、つまり暖かくなりにくい。そして電気代が非常に高額という点と、器具そのものが比較的高価という短所についてそれぞれ見ていきます。
先に単価が高いという問題を考えてみます。
オイルヒーターやパネルヒーターの価格
価格コムなどを見ればサイズごとの価格が即座に調べることが出来ますよね。
ブランドによりますが、サイズによっては1-3万円台も購入出来そうです。
しかし、今回赤ちゃんや子どものいる家庭での使用として、ボクはリビングを想定しています。
リビング、例えば8畳以上となると、オイルヒーターもパネルヒーターも3万円以上かかることも多いです。
耐久性やメンテナンス代、電気代など使用する上で付随する価格を考慮せず、初期費用のみで高いかと安いかを判断する意義は低いと個人的には思いますが、イニシャルコストは他の器具に比べると高いですね。
次に値段以外の熱効率と暖かさ、電気代について考えていきます。
まず暖かさについてです。
オイルヒーターやパネルヒーターの暖かさ
ブログやレビューを見てみますと賛否両論というのが実情のようです。
よくよく調べてみると暖かくない、という意見の方はスペック面から論じている場合が多いのに対して、我が家では非常に快適です、と書かれている場合には実際購入された方のレビューとして書かれている場合が多いようです。
まずスペック面で考えていくと、循環する空気を暖めるという構造上、間違いなく小さな空間の方がより望ましいということになります。
同じ理由で気密性の高い部屋でないと、折角温めてもどんどん逃げていくわけですから意味がありません。
またそもそも対象が
- 鉄筋コンクリート造の、せめて8-10畳以下での使用が望ましい
とされています。
それを広いリビングや木造家屋で使用しようとすれば、効果は落ちるわけです。
オイルヒーターやパネルヒーターは暖まるまで時間がかかりうる
また、いくら以前に比べると暖まるまでの時間が短いと言えども、温風を直接出すエアコンや石油ストーブなどと違って、オイルヒーターやパネルヒーターは比較的長期間使用しないと循環する空気全体を暖められません。
ある程度時間がかかるのは仕方がないとも言えます。
つまり、気密性の高い建物の、比較的小さな部屋=具体的に言えば寝室や書斎で、しっかりと長時間使用すれば、十分快適さは期待出来そうです。
温室の中にいるような、ふんわりとした暖かさが心地いいという感想にも頷けます。
次に、電気代を考えてみましょう。
オイルヒーターやパネルヒーターの電気代
オイルヒーターやパネルヒーターは電気代が極めて高いという部分ですが、これについても使用時間とサイズによりけりですので、断言はできません。
しかし敢えて書くなら、オイルヒーターやパネルヒーターは、決して節電には向かない器具であると思います。
なぜならオイルなりパネルを温めてその熱を利用して部屋の空気を間接的に暖めるという構造なので、熱効率が非常に悪いからです。その分莫大なエネルギーを必要とするというのは当然です。
石油ファンヒーターをつけると直ぐに温風が出て、その周囲に手や足をかざすと放射熱により暖が得られます。
一方オイルヒーターは、同様に電気を使用してオイルを温めて、そのオイルの熱で周りの空気を温めます。
そしてその温まった空気を部屋に循環させるという気の遠くなるような作業です。
なるほど大量のエネルギーを必要とするのにも納得です。
例えば8畳程度のオイルヒーターだと消費電力1300から1500W程度です。
これを例えるのにドライヤーを四六時中つけっぱなしで空気を温めているようなものだと喩えられている方がおられましたが、なるほど効率が悪く電気代が嵩むというのも理解が出来ました。
ですから、オイルヒーターやパネルヒーターは相対的に電気消費量が大きいというのは間違いないと思います。
安全でまろやかな温かみという快適さへの対価として安いと思うかは考え方によると考えるべきです。
オイルヒーターやパネルヒーターの結論
オイルヒーターやパネルヒーターは循環する空気を暖め「間接的」な暖房効果を得る器具。以上より、
オイルヒーターやパネルヒーターのメリット;
- 赤ちゃんや子どもに「直接」接する機会がないからこそ、安全に使用できること
- 空気を汚したり、乾燥させるリスクが軽減できること
オイルヒーターやパネルヒーターのデメリット;
- 適正な使用環境かつ長時間使用して初めて暖かさを実感出来るものであること
- 消費電力を大きくしないと、暖房効果が得られないのは当然であること
結局、まとめるとこのように考えます。
使用環境と、求める性能を考えればこれらオイルヒーターやパネルヒーターがご家庭に適しているか判断出来るのではないでしょうか。
我が家が【リビング】でオイルヒーターやパネルヒーターを辞めた理由
Photo:Is intense heat bad for a digital camera? By decade_null
以上を踏まえ、ボクは次の理由で【リビング】でのオイルヒーター、パネルヒーターを断念しました。
- リビングダイニングで使用したいが、オイルヒーターやパネルヒーターの適した広さよりやや広い
- 家族も含め、必ずしも部屋にいつも長時間いない
- 設置スペースの省略(赤ちゃんの遊ぶ空間を減らしますし、存在感のあるモノが増えるということによる部屋の圧迫感があります)
そして逆転の発想で、寝室にはぴったりだと考え、後に寝室用にオイルヒーターを買いました。
使ってみてまさに寝室にこそオイルヒーターは最高の贈りものだと日々実感しています。
どの機種を買ったの?という方は国産オイルヒーター専門会社、ユーレックスが作るオイルヒーターを紹介する記事も是非ご覧下さい。
赤ちゃんがいる我が家で敢えてオイルヒーターを辞めてエアコンを選択した理由
もう1点、重要な要素がありました。
それは不適格と考えていたエアコンが、濡れタオルを併用することで空気の乾燥という欠点を補えwin-winとなり、十分目的が達せそうだと気がついたことです。
つまり非常に前評判の良い製品が出たと知って、新しい家電を買うことにワクワクしていたボクですが、調べていくとオイルヒーターやパネルヒーターでは分が悪そうなことに加え、少なくとも我が家にとってベストな選択ではないと気がつき、一周回ってエアコンの価値を見誤っていたことに気がついた、という話です。
簡単に述べると、こんな形に収まります。
加湿と濡れタオルについては別記事にまとめたので興味ある方は参照下さい。
エアコンと濡れタオルのみで厳しい寒波も経験しましたが、特に大過なく過ごせました。
特に、加湿については湿度計の数字を意識することで十分加湿を保持出来ていますし、赤ちゃんの乾燥肌も明らかにいい状態が維持出来ています。
追記
冒頭でも紹介しましたが、我が家ではその後引っ越しにより濡れタオルではパワー不足が露呈したことから、手入れが楽な
- 【リビング】にスチーム式加湿器
を購入しました。
象印のスチーム式加湿器を購入しましたが、その快適なこと快適なこと。
一度は辞めた加湿器を買うに至った経緯や、後日談についてご興味ある方は別記事もご覧下さい。
長いお話になりましたが、赤ちゃんや子どもがいるご家庭での暖房選びの参考になれば幸いです。